2021年 F1レギュレーション解説 (4)コスト上限の導入
2021年のF1で最も大きな変化として、初めて導入されるコスト制限が挙げられる。

F1チームのコストは、年間1億7,500万ドル(約189億円)の予算上限(21レースカレンダーに基づく)が厳重に管理される。その予算にはマーケティングコストや、ドライバー、チームプリンシパル、その他の上級職員などの人件費は含まれないが、グリッド上のいくつかの大規模なチームによっては新たな課題となる。

これにより、F1の最大チームと最小チームの間で拡大し続ける支出差は、やがて解消される。コスト規制の影響は、技術規制よりも徐々にスポーツに影響を与えることが予想される。

そして、決定的に重要なことは、小規模チームがトップチームに費やされた開発コストを把握してシーズンに臨めることだ。これは、F1への新規参入を検討するチームにとって魅力的な見通しとなる。また、マシンの共通パーツの数が増えると、チームが開発できる領域への焦点が厳しくなる。

F1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンは、予算ルールを破ったチームには考え得る最も厳しいペナルティが科せられるとし、「もしも不正にこの財政規則を破った場合には、チャンピオンシップを失うことになる」と語っている。

また、予算上限はカレンダーに1戦が追加されるごとに100万ドル(約1億1,000万円)が追加される予定となっている。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)