ハースF1チーム キャデラックの“ジュニアチーム”化をシューマッハが提案

その代わりにシューマッハは、参戦を控えるアメリカの新チーム「キャデラックF1」との提携を提案した。レッドブル・レーシングとジュニアチームのレーシングブルズの関係のように、ハースとキャデラックで似たような体制を築くという案だ。
F1は2026年から11チーム体制となり、キャデラックF1が新たに加わる。参戦当初はフェラーリ製パワーユニットを搭載し、ハースも来季は同じ仕様を使う予定だが、キャデラックF1は将来的にゼネラルモーターズが独自開発するワークスエンジンに切り替える見込みだ。
ハースは2016年にF1に参戦。最近ではオーナーのジーン・ハースが複数の買収提案を断っていることが明らかになっている。
チーム代表の小松礼雄はイギリスGP前、メディア(PlanetF1.comを含む)に対しこう語った。
「正直なところ、(ジーン・ハースは)多くの変化を見てきた。彼は今とても関与していて、細かいところまで理解している。どう表現すればいいだろうか…彼は常にモータースポーツや結果に情熱を持っていて、我々に進歩を求めてきた。それはオーナーとして必要なことだ。彼は常に我々を支えてきた」
「すべてを知っているわけではないが、この18カ月間でチームを買いたいという申し出が何度もあった。しかし彼は興味を示さない。F1チームのオーナーであることを本当に楽しんでいる。今は10チームのうちの1チームだが、来年からは11チームのうちの1チームだ。これは非常に特権的な立場だ」
「彼はF1が今のような状況ではなかった時期に参戦した。COVIDの厳しい時期も耐え抜いた。そして今、その状況を楽しんでいる」
では、チームの可能性を広げるために売却は必要なのか?BILDに対して質問されたシューマッハの答えは「必ずしもそうではない」だった。
ただしシューマッハは、ハースのアプローチに大きな変化を加えるべきだと提案。具体的には他チームと提携し、その「ジュニアチーム」になることを推奨し、キャデラックF1を有力な候補として挙げた。
レッドブルとレーシングブルズは同じレッドブルGmbHが所有しているが、シューマッハの案ではキャデラックとハースに資本関係はない。それでも彼はこう続けた。

「パートナーを探すべきだと思う。ジュニアチームとしてね。レッドブルにとってのレーシングブルズのように。キャデラックは来年F1に参戦するので、選択肢になるかもしれない。今のF1チームは若手ドライバーを起用することをほとんどためらっている。ジュニアチームという仕組みがその解決策になり得る」
キャデラックは2026年のドライバーラインアップをまだ発表していないが、PlanetF1.comの情報では元レッドブルのセルジオ・ペレス(通算6勝)が1シートを確保するとみられている。バルテリ・ボッタス、ミック・シューマッハ、ジャック・クロフォードらも候補に挙がっている。
しかしシューマッハは「ドライバーは一番の問題ではない」と指摘する。
「彼らには400人しかいない。それでチーム全体を作らなければならない。極めて野心的だ。楽しみにしているが、簡単ではないだろう。彼らは不死鳥のように舞い上がるのか? それとも地に足をつけたままなのか?」
2026年のF1はシャシーとエンジンの両規則が一新され、スポーツ全体が大きくリセットされる。
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