マクラーレン・ホンダ F1 アゼルバイジャンGP
マクラーレン・ホンダは、F1アゼルバイジャンGPの金曜フリー走行で、フェルナンド・アロンソが12番手タイム、ストフェル・バンドーンが17番手タイムを記録した。

初開催となるアゼルバイジャンGP(昨年は「ヨーロッパGP」という名前で開催)に向けた1日目のフリー走行は、予想通り忙しい一日となった。コースオフするマシンが続出し、イエローフラッグが何度も出される中、レッドフラッグによるセッション中断も2回あった。

ストフェル・バンドーンは、エスケープロードに数回コースオフしたものの、マシンに損傷はなく、FP2の序盤には1分46秒174のタイムを記録。17番手で本日のセッションを終了した。

一方のフェルナンド・アロンソは、FP2ではすぐにスピードに乗ったものの、走行プランをすべて消化することができなかった。ギアボックスの不具合とみられる問題によって、白煙を出しながら16コーナーの内側でマシンを止め、セッション半ばで走行を終える結果となった。それでも、アロンソは1分45秒515のベストタイムで12番手となった。

フェルナンド・アロンソ (12番手)

「FP1とFP2では、テストをいくつか実施するとともに、それぞれのダウンフォースレベルでの走行や明日に向けた有効な情報収集を行ったた。タイヤの評価と燃料を多く積んだ際の走行については、ストフェルが実施してくれたので、その両方が戦略に関する我々の決断に役立つだろう。今日は難しい路面状態だった。プライムタイヤとバックアップタイヤを装着している際には、ロングストレートで少し熱を失うので、その後ブレーキを踏むと、タイヤが突然ロックアップして曲がれなくなってしまう。今日はコースオフするマシンが何台もいたが、金曜日はみんな限界を探ろうとしているためだ。明日コースオフするマシンは今日よりは少ないだろうし、日曜日にはさらにその数が減ると思う。FP2の最後の30分は走行できなかったので、残りの走行プログラムを消化するためにも、明日は燃料を多く積んだ状態での走行を行う必要があると思う。いずれにしても、決勝ではグリッド後方からのスタートになるので、明日の予選ではスムーズに物事を進めるつもりだ」

ストフェル・バンドーン (17番手)

「レースでグリッド降格ペナルティーを受けることが分かっていたので、今日はロングランのペースに焦点を当てることにした。FP1では、すぐにコースについて理解することができたし、明日は今日よりもさらに少しレベルアップできると考えている。ここではマシンに対してかなりポジティブな感触を持つことができた。市街地サーキットで走行する際には自信を持って走れるようにする必要があるので、その点はよかった。また、事前にシミュレーターを使って準備したことで、その効果がかなりでていたと思う。ブレーキを踏むタイミングについては、すぐにいい感触をつかむことができた。いい準備ができた結果だったと感じている。ここでもタイヤをうまく機能させるのが、かなり難しい状況だ。タイヤをロックアップさせるドライバーが多くいたし、みんなタイヤを温めるのに苦労しているようだ。特にブレーキングゾーンでは難しく感じる。これは、ロングストレートでタイヤの温度が下がったあと、コーナー進入時に急ブレーキをかけるためだ。安定していいラップタイムを刻むのは容易ではない」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今回は、チーム全員にとって困難な週末になることは分かっていた。今週末は、フェルナンドのマシンに対して、パワーユニットの小規模なアップグレードを行ったが、残念ながら、FP2でギアボックスが破損した。すでにかなりの走行距離を走った金曜日用のパワーユニットだったが、少し進歩していることが確認できたのはよかった。決勝では両ドライバーがグリッド降格ペナルティーを受けるため、グリッド最後尾またはピットレーンからのスタートになるが、今週末の時間を最大限に活かすためにも、いつもとは少し違うことをする必要があると考えていた。 そこで、今日のフリー走行はテストのようなものだと考え、通常の金曜日とは異なる走行プログラムを実施することにした。もちろん、それは今回のグランプリは諦めるという意味ではない。我々はどんな状況にあっても、ファンの皆さん、自分たちのパートナー、そしてウォーキング、さくら、ミルトンキーンズで懸命に仕事をするメンバー全員のためにレースに臨まなければならない。ただ、いつもとは違うやり方で仕事をすることによって、今までよりも改善できる点があるのかどうか、また今後のためになにか学ぶことができるのかどうかを確認しようと思っている」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「今日のセッションでは、フェルナンド側のパワーユニットにアップデートを持ち込みました。FP1から順調に走行を重ね、アップデートの効果もデータ上では確認できていました。ベストな状況でタイム計測を行う前に、FP2終盤でマシンを止めることになったのは残念でしたが、新スペックのパワーユニット投入により、パワーの向上については一定の進歩を見ることができましたし、セッションを通じて大きな問題なく走ることもできました。全体としては前向きに捉えており、一歩前進できたのではないかと思っています。ストフェルについてはほかのカテゴリーでのレースも含めて、このサーキットで走行するのは初めてでしたが、予定していたプログラムをほぼ走りきり、順調にセッティングを進めてくれました。長い直線を持つパワーサーキットですので、明日の予選は難しいものになると予想していますが、引き続きチーム一丸となり全力で臨みたいと思います」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1アゼルバイジャンGP