シャルル・ルクレール バスールのフェラーリF1代表続投は「僕にとっても朗報」

「驚きというより、やっと公式に発表されたことが嬉しい。ここ1カ月くらいチームをめぐっていろんな噂が飛び交っていたから、ようやく公式のニュースが出たことは重要だし、本当に嬉しい」とルクレールは語った。
ルクレールがフェラーリに加入したのは2019年。以来、何人ものチーム代表の下でレースをしてきたが、バスール体制となってからは今季で2年目を迎える。そうした経験を踏まえ、ルクレールはバスールのリーダーシップに特有の強みがあると語る。
「フェラーリというチームは、日常業務の中に“感情”が強く入り込むんだ。イタリア人はとても情熱的だからね。それがフェラーリを特別にしている要素の一つでもある。でも、フレッドは常に冷静で、周囲の雑音に左右されず、今のチームの立ち位置を正確に見極める視野を持っている。これは本当に重要なことだと思う」
さらに、「彼の素晴らしい点は、ファクトリーの全員から最大限の力を引き出せること。すべてが揃うと、それが大きな違いを生む」と続けた。
ルクレールは「安定性の重要性」にも言及する。
「F1では、何かを築くには時間がかかる。とくに成功するチームをつくるにはね。そういう意味でも、フレッドが今後もチームを率いていくことはとても大きな意味がある。僕にとっても朗報だよ」
フェラーリが文化的に変化したかどうかという問いに対しても、「彼は明確なビジョンを持っていて、それをチームに浸透させた。困難なときほど“冷静さ”が必要だけど、フレッドは常に冷静で、チーム全体が少しずつそれを身につけてきた」と内面的な変化を強調した。
記者からは、ルイス・ハミルトンが「マラネロの開発チームに自身で資料を作って送っている」と語ったことについて、「自分は同じような資料は作っていないけど、マラネロに戻れば必ずミーティングをして、チームと一緒に次に取り組むべきことを確認している。それぞれのドライバーに合ったフィードバックのやり方があるんだ」と説明した。
また、自身のパフォーマンスについて問われると、こう振り返った。
「自分のパフォーマンスにはとても満足している。でも、ベストの瞬間かと言われたら、違う。僕は勝ちたいからね。ただ、アップグレードが進んで、マシンのセットアップも極端な方向に振らずに済むようになった。シーズン序盤はかなり極端なセットアップにしていたけど、今はもっと扱いやすくなって、ドライバーとして最大限を引き出せるようになってきたと思う」
最後に、後半戦でフェラーリが得意とするサーキットがあるかと問われると、慎重な姿勢を崩さなかった。
「今の時点で“ここがマクラーレンより速い”と言えるサーキットは正直ない。でも、驚かされる展開を期待してるよ」
記者会見では他にも多くの質問がルクレールに集中した。コンストラクターズランキングでメルセデスとの接戦を演じる中、「2位で終えるのはもちろん重要。でも、我々が本当に狙っているのはレースで再び勝つこと。そのために前進し続ける」と力強く締めくくった。
F1では現在、FIAがホイールカバーなどスプレー低減デバイスのテストを継続しているが、実戦投入にはまだ至っていない。ドライバーたちの声は共通しており、視界の確保がなければ、今後も“走れないレース”が続くという危機感が漂っている。
今週末のハンガリーGPでは、天候が崩れる可能性もある。果たしてFIAとドライバーの間で得られたフィードバックが、次なる判断にどう生かされるか注目される。
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