ランド・ノリス「ピットで勝てない?」 F1イギリスGP“シューマッハ再現”ジョーク

結果的にノリスは4位でフィニッシュ。レース後には苦戦したマクラーレンのパフォーマンスを振り返り、「改善すべき点が多い」と率直な思いも語っている。
セーフティカー中に飛び出した“冗談”
終盤、マックス・フェルスタッペンがストウでスピンを喫してグラベルにストップしたことで、イギリスGPはセーフティカーが導入されたままフィニッシュを迎えた。
4位を走行していたノリスは、最終ラップの無線でレースエンジニアのウィル・ジョセフに次のように尋ねた。
「ピットインはできないよね? ピットレーンで勝つことはできないの?」
ジョセフが「できない」と即答すると、ノリスは「残念だね」と笑いながら返答した。
現在のF1では、ピットレーンを通過してフィニッシュラインを越える形で優勝することは認められていない。
シューマッハの1998年イギリスGPがきっかけ
この規則が明確化されるきっかけとなったのが、1998年イギリスGPでのミハエル・シューマッハの勝利だった。
当時のシルバーストンは現在とは異なるレイアウトで、ピットレーンがナショナル・ピット・ストレートに設けられていた。
シューマッハは最終ラップにストップ・アンド・ゴー・ペナルティを消化するためピットレーンへ入り、そのままフィニッシュラインを通過。フェラーリはこれでペナルティを消化したと解釈し、シューマッハは優勝とされた。
しかし、この裁定を巡ってレース後に大きな論争が発生。最終的には、スチュワード側がペナルティ通知の制限時間を超過するなど複数の手続き上のミスを犯していたことが判明し、ペナルティ自体が取り消された。
この一連の混乱を受けて当時の3人のスチュワードは辞任し、FIAは同様の事態が再発しないよう規則を見直した。そのため現在では、ノリスが冗談で口にしたような形で優勝することはできない。

マクラーレンの苦戦に危機感
ノリスはレース終盤、アンドレア・キミ・アントネッリとフェルスタッペンのトラブルにも助けられ、4位まで順位を上げた。
それでも、マシンの競争力には満足していない。
「今日のフィーリングを考えれば、4位とスプリント3位という結果は本当に驚くべきものだと思う」
「もちろん今日は運もあった。でもレースは最後まで走り切ることが大事だし、信頼性を確保してミスをしないことも重要だ。マックスやキミに何が起きたのかは分からない」
「スタートも良くなかった。なぜなのか調べないといけない。それに今日はマシンのフィーリングがまったく良くなかった。改善しなければならない点はたくさんある」
「結果だけ見ればポジティブだし、それが最終的には一番重要だ。でも、その結果を得るためのペースは本当に良くなかった。大きく前進する必要がある」
セーフティカーフィニッシュという消化不良の結末の中で飛び出したノリスの軽妙なジョークは話題を集めた。一方で、ドライバー本人は4位という結果よりもマクラーレンの競争力不足を重く受け止めており、次戦以降に向けて大幅な改善が必要だとの認識を示している。
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