F1イギリスGP決勝 ピレリ総括:終盤SCでタイヤ戦略が一変
2026年F1第10戦イギリスGPは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がセーフティカー先導のまま今季初優勝を飾った。レースは終盤のバーチャルセーフティカー(VSC)とセーフティカー(SC)によって戦略が大きく変化し、当初想定されていた1ストップレースは大きく様変わりする展開となった。

ピレリは決勝後、各チームが採用したタイヤ戦略やタイヤ性能を分析。レース終盤のSCによってソフトタイヤを装着したドライバーが本来の性能を発揮できなかったことや、表彰台争いにも大きな影響を与えたと総括した。

終盤のSCがタイヤ戦略を大きく変えた
決勝は全車がC2(ミディアム)タイヤでスタートし、その後ハードタイヤへ交換する1ストップ戦略が主流だった。

しかし終盤にVSCとSCが相次いで導入されたことで、全車が少なくとも2回のピットストップを実施。多くの上位勢は最後のスティントでC3(ソフト)へ交換した一方、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は2回目のピットストップですでにミディアムタイヤへ交換していたため、ソフトへ履き替えずコース上のポジション維持を優先した。

その後、レースはセーフティカー先導のままチェッカーを迎えたため、ソフトタイヤを装着したドライバーたちは、その高いグリップ性能を生かす機会を得られなかった。

タイヤ使用状況ではアントネッリが最多周回
タイヤ使用データでは、アンドレア・キミ・アントネッリがミディアムタイヤで35周を走行し最多周回を記録。ハードタイヤではオスカー・ピアストリが34周、ソフトタイヤではアレクサンダー・アルボンが12周で最多となった。

決勝でノーポイントに終わったアントネッリだが、ドライバーズランキングでは179ポイントで首位を維持。チームメイトのジョージ・ラッセルが154ポイントで2位、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が147ポイントで3位につけている。

ピレリ「最速戦略は想定通りだった」
ピレリのモータースポーツディレクター、ダリオ・マラフスキは、各チームの戦略について次のように振り返った。

「すべてのチームが、我々のシミュレーションでも最速と判断していた同じ戦略を採用しました。最初のバーチャルセーフティカーまでは、ミディアムからハードへ交換するタイミングに多少の違いがあった程度で、戦略面に大きな違いはありませんでした」

「序盤に早めのピットストップを行ったチームもありましたが、それは日曜日の気温上昇によって、これまでよりタイヤのデグラデーションが大きくなったことも影響しています」

「最初のニュートラライゼーションでは、新品のC2を装着してグリップ向上を狙うチームもありました。しかし最終盤のセーフティカーによってC3の使用が一気に広がり、結果として表彰台の順位も決定づけられました」

「ジョージ・ラッセルはデブリの影響で予定より早く2回目のピットストップを済ませていたため、2位を守ることができました。一方フェラーリの2台はレース再開を見越してソフトタイヤへ交換しましたが、その再スタートは実現しませんでした」

イギリスグランプリ タイヤイギリスグランプリ タイヤ使用 2026年のF1世界選手権

2027年タイヤ開発へ向けたテストも実施
ピレリのシルバーストンでの活動はレースで終わらない。火曜日と水曜日にはメルセデスとウィリアムズの協力のもと、2027年シーズン用スリックタイヤの構造開発を目的とした2日間のテストを実施する予定だ。

今回のイギリスGPでは、各チームが最速と見込んだ1ストップ戦略が終盤のVSCとSCによって崩れ、タイヤ選択とピットタイミングが勝敗を左右する展開となった。レース後の分析でも、ピレリはニュートラライゼーションがタイヤ戦略と最終結果に大きな影響を与えたとの見解を示している。

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カテゴリー: F1 / F1イギリスGP / ピレリ