角田裕毅 レッドブルF1 メキシコGP展望「路面特性はマクラーレン向き」
レッドブル・レーシングの角田裕毅は、今週末のF1メキシコGPに向けて「マクラーレンとフェラーリが有利に立つ可能性がある」と語った。前戦アメリカGPでシーズン最高のパフォーマンスを見せた角田裕毅は、オートドローモ・エルマノス・ロドリゲスの特性がライバル勢に味方するかもしれないと分析している。

前戦オースティンでは13番グリッドからスタートし、スプリントと決勝の両方で7位を獲得。これは今季の自己最高成績であり、レッドブルの2台目としても最も好調な週末となった。

チームメイトのマックス・フェルスタッペンがスプリントと決勝を制した一方で、角田裕毅は「サーキット・オブ・ジ・アメリカズのレイアウトやバンピーな路面は、我々のマシンにはあまり合わなかった」と振り返った。

それでも角田裕毅は、次戦メキシコでの戦いに自信をのぞかせている。標高の高いサーキットでの挑戦は難しいものの、ライバルに対抗できる強みもあると考えている。

メキシコの路面特性はマクラーレンとフェラーリ向き
角田裕毅は、メキシコ・シティにある同サーキットの特性が「マクラーレンとフェラーリのマシンに合っている」と説明した。特に縁石への乗り上げ性能が重要になると指摘している。

「うーん、まあ、悪くないと思います。ただ、メキシコは少し特別なキャラクターを持っています。特に縁石の上を走る時にマシンの乗り心地が重要になります。マクラーレンとフェラーリは縁石の上をうまく走れる印象があるので、彼らは強いと思います」と角田裕毅は語った。

「でも僕たちにも得意な部分があります。違うところでラップタイムを稼げると分かっていますし、そこを最大限に生かしたいです」

アメリカGPでの手応え「シンガポールより強かった」
角田裕毅はまた、アメリカGPでの走りがシンガポールGPよりも良かったと振り返った。

「スタートはまた良かったですし、最初の数周は良いペースでいくつか順位を上げることができました」と述べ、「その後のペースも悪くなかったけど、もう少し上手くやれた部分もあったと思います。それでも全体として良い週末でした」と評価した。

シンガポールと比べてどうだったかと問われると、「シンガポールではおそらく人生で最悪のスタートをしたと思います。アメリカではなぜか攻める自信があって、昨日から良い感触がありました。今日はスタート位置が違いましたが、昨日と同じようなことを再現できたのでポジティブです」と角田裕毅は語った。

角田裕毅はスプリントと決勝の合計で8ポイントを獲得し、今季の合計は28ポイントに到達した。一方で、姉妹チームのレーシングブルズ勢であるリアム・ローソンとアイザック・ハジャーの合計69ポイントには届いていない。

角田裕毅 レッドブル F1

フェルスタッペンとの差とチームの現状
チームメイトのマックス・フェルスタッペンは角田裕毅より278ポイント以上多く獲得し、ドライバーズ選手権3位につけている。レッドブルはコンストラクターズ選手権でフェラーリ、メルセデスと激しく競り合っており、現在はメルセデスに10ポイント、フェラーリに3ポイント差で追う展開となっている。

分析:角田裕毅の発言に見える“冷静な現実認識”
角田裕毅の発言は、レッドブルRB21の現状を冷静に分析したものといえる。アメリカGPではバンピーな路面でマシンの特性が合わず、苦戦する中でも最大限の結果を残した。一方で、メキシコでは高地特有の低酸素環境と、縁石走行が要求されるレイアウトが新たな挑戦となる。

マクラーレンとフェラーリはこの「縁石処理」と「トラクション性能」で強みを持つため、角田裕毅が警戒するのは理にかなっている。とはいえ、レッドブルには依然として高い直線スピードと冷却効率の強みがあり、彼が言うように「異なる部分でラップタイムを稼ぐ」余地は十分にある。

今季最も安定した週末を経て、角田裕毅は自らのポテンシャルとチームの戦闘力の両方に確かな手応えを掴みつつある。次戦メキシコで、再び上位進出を狙う。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1メキシコGP