角田裕毅も登場 F1公式サイトが選ぶ2025年名珍場面アワード

新たなワールドチャンピオンの誕生や激しいタイトル争いが注目を集めた一方で、2025年のF1世界選手権では、角田裕毅が写った“あの一枚”をはじめ、爆笑必至の出来事や記憶に残るチーム無線、思わぬハプニングがサーキットの内外で次々と生まれていた。
ここでは、F1公式サイトが選んだ2025年の名珍場面を、各アワードとともに振り返っていく。
■ 最も不運だったドライバー ─ フェルナンド・アロンソ
フェルナンド・アロンソは、イモラで11位でチェッカーを受けた際、チーム無線でこう語った。
「僕たちは本当に運が悪い。今年は何もかもが間違っている」
この言葉に反論するのは難しい。2度のワールドチャンピオンは、開幕戦オーストラリアでのリタイア、中国でのブレーキトラブル、モナコでのパワーユニットトラブルといった不運が重なり、第9戦バルセロナまで今季初ポイントを待つことになった。
イモラでこの発言が飛び出したきっかけは、不運なタイミングでのVSCだった。これにより、アロンソのライバルたちは“安い”ピットストップを行うことができた。また、ザントフォールトでもセーフティカーのタイミングに泣かされ、同様の問題を抱えることになった。
さらにモンツァでは、前を走っていたノリスが跳ね上げた小さなグラベル片が原因で、サスペンションが破損するというトラブルにも見舞われた。
それでもアロンソは、今年も決して戦うことを諦めなかった。そして最終的にはドライバーズランキングのトップ10に返り咲くことに成功した。最終2戦で獲得した16ポイントが、その助けとなったのは確かだ。

■ 最も笑えた瞬間 ─ LEGOレース
今年のマイアミGPでは、ドライバーズパレードにひとひねりが加えられ、ドライバーたちは実際に走行可能なLEGO製のビッグビルドカーを運転する機会を与えられた。
各チームにはそれぞれ専用カラーの車両が用意され、26人のデザイナー、エンジニア、LEGOビルダーによって、22,000時間以上をかけて製作された。すべてのマシンは約40万個のLEGOブロックで構成され、最高速度は時速20kmに達した。
では、ドライバーたちはマイアミ・インターナショナル・オートドロームでそれらを丁寧に扱ったのだろうか。答えは「まったくそんなことはなかった」。
競争心に満ちたドライバーたちによって、パレードは瞬く間にレースと化し、数々の爆笑必至の結果を生んだ。これほど幸せそうなドライバーの集団を、他に見たことがあるだろうか。
■ ベスト無線メッセージ ─「きっと水だね」
2025年のチーム無線では、数多くの名場面が生まれた。ルイス・ハミルトンの「ついでにお茶でも飲んでいれば?」、シャルル・ルクレールの「ありがとう、ブライアン」、そしてフェルスタッペンの「シフトが1972年のモナコGPみたいだ」というコメントも忘れてはならない。
しかし、今季のベスト無線メッセージに選ばれたのは、オーストラリアGPでのルクレールによる、まさに歴史的な一幕だった。
「シートが水でいっぱいだ!」
ドリンクボトルのトラブルに見舞われたルクレールが、レースエンジニアのブライアン・ボッツィにそう訴えると、返ってきたのは次の一言だった。
「きっと水だね」
これに対しルクレールは、
「それ、“名言集”に加えておこう」
と返した。
後にルクレールは、これは2人の間の内輪ネタだったと説明しているが、それでもこの無線が、今後あらゆる“ベスト無線集”に含まれることになるのは間違いない。
■ ベスト特別リバリー ─ 日本GPのレッドブル×ホンダ
2025年は、この部門においても多くの候補が存在した。モンツァで披露された、ニキ・ラウダ初タイトル50周年を祝うフェラーリのレトロ・リバリーも、僅差で次点となっている。
しかし、2025年のベスト特別リバリーに選ばれたのは、日本GPで披露されたレッドブルのマシンだった。このデザインは、ホンダとのパートナーシップ最終年を称えるものであり、そして何より――見れば分かる通りだ。まさに美の結晶である。

■ ベスト特別ヘルメット ─ ルイス・ハミルトン(ラスベガス)
2025年は、特別ヘルメットのデザインも特別リバリーと同じくらい――いや、それ以上に多かった。そのため、この部門でもアワードを用意する必要があった。
そしてその受賞者は、ラスベガスGPでのハミルトンの特別ヘルメットである。
なぜなら、あれは輝いていたからだ。輝くヘルメットには、自動的にボーナスポイントが与えられる。

■ ベストスタッツ ─ ニコ・ヒュルケンベルグ、F1史上最も長く初表彰台に届かなかったキャリア
2025年のチャンピオン争いとは別に、ニコ・ヒュルケンベルグがイギリスGPで表彰台に上がったことは、今年最も印象的なストーリーの一つだった。ドイツ人ドライバーは、難しい天候条件の中で経験を存分に発揮し、19番手スタートから3位という驚異的な結果を手にした。
そして239回目の出走にして、ついに「F1史上最も長く表彰台に立てなかったドライバー」という不名誉な記録に終止符を打った。このスタッツは、今となってははるかに前向きな意味を持つものとなった。
この結果は、2012年日本GPで小林可夢偉が表彰台に立って以来となる、ザウバーにとっての初表彰台でもあった。また、ヒュルケンベルグは、1973年スペインGPのジョージ・フォルマー(39歳)以来となる、37歳での初表彰台獲得ドライバーとなった。

■ 最も痛ましいトロフィー事件 ─ アイザック・ハジャー(ザントフォールト)
サプライズと感動の表彰台という流れで、次に登場するのがアイザック・ハジャーだ。彼はルーキーシーズンのザントフォールトで、見事3位を獲得した。
しかし、走りは完璧だった一方で、トロフィーの扱いはそうではなかった。レーシングブルズがピットレーンで記念撮影を行っていた際、フランス人ドライバーはトロフィーを地面に置き、その拍子に誤ってネック部分を折ってしまった。
その後、オランダ王室のベルンハルト公が関与し、イタリアGPを前に新しいトロフィーがハジャーに贈られることになった。

■ 最も忍耐力を示した例 ─ ハジャーとシートベルト
ハジャーは、今年このオルタナティブ・アワードを2度受賞している。日本GPでの出来事は、「最も忍耐力を示した例」にふさわしいものだった。
鈴鹿での予選1時間は、フランス人ルーキーにとってまさにジェットコースターのような展開だった。シートベルトが極端にきつく締められていたことが判明し、その不快感は想像を絶するものだった。
当然ながらそれは集中力とアタックに影響を与え、Q1での無線は痛みに満ちたものとなった。それでもハジャーは耐え抜き、ギリギリでQ2進出を果たす。インターバル中に問題は修正され、その後、彼は見事7番手を獲得した。
■ 最も見事なマルチタスク ─ ランド・ノリスの高級芝刈り機
日本GPでは、マルチタスクの最良例も生まれた。ピット出口でのポジション争いの中、ノリスとフェルスタッペンが激しく競り合い、その結果ノリスは芝生の上に飛び出すことになった。
クールダウンルームでフェルスタッペンはこう語った。
「かなり高級な芝刈り機だね」
さらに記者会見では、次のように冗談を続けた。
「右側の芝があまりきれいに刈られていなかったと思う。ランドもそれに気づいて、ちゃんと刈ってくれた」
これに対しノリスは、
「僕はマックスとレースしていたわけじゃなくて、彼が言う通り芝を刈っていただけだよ」
と応じた。
■ ベスト謝罪 ─ アレクサンダー・アルボンとジョージ・ラッセルのディナーデート
モナコGPで、ジョージ・ラッセルが大きなフラストレーションを抱えていたのは、今年屈指の控えめな表現と言える。
予選でのパワーロスにより14番手に沈んだメルセデスのドライバーは、決勝でトラフィックに捕まり続けることになった。ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツJr.は、戦略的に隊列をスローダウンさせ、フリーピットストップのためのギャップを作り出す戦術を取っていた。この動きは、2回の義務ピットストップを完了するまで、4回にわたって繰り返された。
ついに我慢の限界を迎えたラッセルは、ヌーヴェル・シケインをショートカットしてアルボンを追い抜き、ポジションを戻すことを拒否。その結果、スチュワードからドライブスルーペナルティを科された。
レース後、ウィリアムズの2人はこの戦術について謝罪し、ラッセルは冗談交じりに「ディナーを奢ってもらうべきだ」と語った。そして実際、そのディナーは行われた。
「彼はメニューの中で一番高いものを頼んだよ」とアルボンは後に語っている。「ロブスターのパスタだった」
■ 今季最高の相乗りシーン ─ ブラジルでのフェルスタッペン、ラッセル、角田裕毅
別の“ひねり”の効いたドライバーズパレードとして、サンパウロGPではソープボックスが用意された。予想通り、再び混乱が巻き起こった。
その中で、マシントラブルにより移動手段を失ったラッセルのために手を差し伸べたのが、角田裕毅とフェルスタッペンだった。このレッドブルの2人とラッセルが並んで乗る姿は、今年を象徴する写真の一つとなった。
画像がすべてを物語っている。
カテゴリー: F1 / 角田裕毅
