F1、Appleと米国での5年間の独占放映契約を発表
F1は、Appleと5年間の独占放映契約を締結し、2026年からAppleが米国における唯一の公式放送パートナーとなることを発表した。革新・卓越性・エンターテインメントという共通の理念を持つ2つのグローバルブランドが手を組む形となる。

今回の発表は、2025年6月に劇場公開されたApple製作の映画『F1 The Movie』の世界的成功を受けたもの。同作は3年にわたるF1との緊密な協力によって生み出され、これまでに全世界で約6億3,000万ドルを超える興行収入を記録。スポーツ映画史上で最も成功した作品となった。

この映画は12月12日(金)にApple TVで世界配信される予定であり、AppleがF1のブランド価値と世界的ファン層の拡大に果たす影響の大きさを示している。

Apple TVが全セッションを独占配信、無料視聴枠も設定
新たな放映契約では、Apple TVがフリー走行、予選、スプリント、決勝レースのすべてを配信する。また、シーズンを通して一部のレースおよびすべてのフリー走行は、Apple TVアプリ上で無料視聴できるようになる。
F1の公式サービス「F1 TV Premium」も引き続き米国内で利用可能となり、Apple TVのサブスクリプション経由でアクセスできるようになる(Apple TV契約者は無料)。

さらに、AppleはApple News、Apple Maps、Apple Music、Apple Sports、Apple Fitness+など自社の多様なプラットフォームを通じてF1を展開。スポーツ観戦を超えた総合的な体験を提供する。

F1 アップル(Apple)

若年層・女性層に広がる米国F1人気
2025年のF1グローバルファン調査では、過去5年以内にF1を見始めた米国ファンのうち47%が18〜24歳であり、さらに過半数が女性という結果が示された。
Appleのエコシステムを通じたF1配信は、こうした新しい層にアプローチする絶好の機会と位置づけられている。

ステファノ・ドメニカリCEO「米国市場での成長を最大化する理想的な提携」
F1のステファノ・ドメニカリCEOは次のようにコメントした。

「これはF1とApple双方にとって非常にエキサイティングなパートナーシップだ。私たちはすでに映画『F1 The Movie』の制作を通じて3年間協力してきたが、その成功が示すように、この提携には大きな可能性がある」

「Appleはイノベーションとファンとの新しい接点を提供できる理想的なパートナーであり、ライブ放送や多様なコンテンツを通じて米国でのF1人気をさらに拡大していく。ティム・クックCEO、エディ・キュー上級副社長、そしてAppleチーム全員の情熱に感謝している」

Appleのエディ・キュー上級副社長「新時代のF1をAppleならではの形で届ける」
Appleのエディ・キュー上級副社長(サービス担当)は次のように述べた。

「F1との関係を拡大し、Apple TVの加入者に世界最速のスポーツを間近で体験できる機会を提供できることをうれしく思う。2026年は新チームや新レギュレーションが導入されるF1の転換期だ。私たちは、Appleならではの革新的かつファンファーストな形でこのスポーツを届けるつもりだ」

Appleによる“F1体験の再定義”
この契約は単なる放映権の移行にとどまらず、Appleによる“F1体験の再定義”を意味する。映画製作で確立したリアルなレース映像表現と、Appleデバイス間の連携を活かした視聴体験の融合は、スポーツ放送の新たな基準を打ち立てる可能性がある。

また、Appleが他の自社サービスと連動してF1を日常的に体験できるようにする戦略は、若年層の定着と女性ファンの拡大を狙ったもの。F1にとっても、Netflix『ドライブ・トゥ・サバイブ』以降の“北米ブーム”を持続させるうえで極めて重要な一手となるだろう。




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カテゴリー: F1 / テレビ放送