メルセデスF1代表 フェルスタッペン獲得交渉否定せず「今後を探るのは当然」
F1オーストリアGPを前に、トト・ヴォルフは2026年のメルセデス移籍の可能性を巡ってマックス・フェルスタッペンとの話し合いを再開しているという噂を否定しなかった。

きっかけは、ジョージ・ラッセルが今週末に向けたメディア対応の中で「メルセデスがフェルスタッペンと積極的な交渉をしている」と発言したことにある。

ヴォルフはこれまでもフェルスタッペンに強い関心を抱いており、2024年のシート争いでフェルスタッペンを逃した後は、ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリとラッセルを組ませる決断を下していた。

フェルスタッペンはレッドブルとの契約を2028年まで残しているが、特定の条件下で契約を解除できる条項が含まれているとされており、移籍の憶測は収まっていない。

「人々は探るもの」ヴォルフは交渉の存在を否定せず
ヴォルフはモータースポーツ・ウィークなどのメディアに対し、交渉の有無を問われると明言は避けつつも、「人々は話をするし、探るものだ」と語った。

「我々の組織では透明性が最も重要だ。それは変わらない。ジョージの能力やそれ以外のことについて、私の評価が1ミリも変わることはない」

ヴォルフはまた、ラッセルがこの話題に触れたことに不快感はなく、むしろ彼の発言を歓迎する姿勢を示した。

「私はいつだってドライバーを支持する。たとえ、私が言ってほしくないようなことを口にしたとしてもね。我々は常に、やっていることや計画について透明であり続けてきた。それは今も変わらない」

「そして今は、将来に向けて何が起きているのかを探る必要がある。だがそれによって、ジョージやキミ、そして今のラインアップに対する私の考えが変わることは一切ない」

「交渉期限は設けていない」裏での対話を重視
ヴォルフは、フェルスタッペンに対して明確な加入期限や条件提示があったかと問われると、次のように答えた。

「君たちは、我々が『いつ加入する? 条件は?』と尋ねているかのように話すが、そういうやり方ではない」

「私は会話を『タウンホール(公開の場)』で行いたくない。水面下でやるべきことだ」

「我々には長年育成してきた2人のドライバーがいる。彼らと共にチームの未来を築くつもりだ。この状況は少し他とは異なる」

F1 メルセデス フェルスタッペン

ラッセルとの確執は懸念せず「ロズベルグとハミルトンの経験がある」
また、仮にフェルスタッペンが加入した場合、過去に激しく火花を散らしたラッセルとの関係が再燃することへの懸念について問われると、ヴォルフは問題ないと断言した。

「私はどんなラインアップも想定できる。ニコ(・ロズベルグ)とルイス(・ハミルトン)を世界選手権争いで戦わせた経験がある。それ以降の組み合わせは楽なものさ」

「2人のドライバーが激しく競り合うメリットとデメリットは当然あるし、それが機能した例もあれば、そうでなかった例もある」

「“フラート”とは?」ラッセル発言との矛盾を問われたヴォルフの返答
ヴォルフは以前、「自チーム以外のドライバーとフラートする(気を持たせる)」のは控えると語っていたが、今回の状況はその方針と矛盾しないかと問われると、軽くいなした。

「“フラート”の定義は何だ? 別に何も変わっていない」

「“フラート”にもいろいろある。誰かと会話することもその一つだろう」

フェルスタッペンとメルセデス――2026年の可能性は未だ霧の中だが、ヴォルフの発言は、両者の接触が完全に途絶えているわけではないことを強く示唆している。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / マックス・フェルスタッペン