小林可夢偉
小林可夢偉が、ザウバーでの最後のレースとなった2012年最終戦F1ブラジルGPの週末を振り返った。

「ブラジルGPは、前週にあったアメリカGPとドライタイヤが同じハードとミディアムという硬めのコンパウンドだったんですが、やはりドライコンディションではタイヤをうまく使うのがすごく難しかったです」と小林可夢偉は金曜日の走り出しを振り返る。

「オースティンは路面が新しいこと、さらに路面温度が低かったこともありましたが、今回は逆に路面温度が高いんだけどタイヤが硬くて動かないという状況で、金曜日はリヤタイヤがすぐにオーバーヒートしてしまっていた」

予選は、セッション前に雨が振るという難しいコンディションで行われたが、15番手で終えた小林可夢偉はウェットコンディションに手ごたえを感じていた。

「でも予選前に雨が降ったことで、予選第1セッションの走りはじめは濡れたところでタイヤが冷えていい手応えはありました。だから決勝レースは雨が降ってくれたらと願っていましたが、本当に降ってくれましたね」

決勝では、オープニングラップでのセバスチャン・ベッテルの混乱をうまく避けた小林可夢偉。その後はポイント圏内で素晴らしい走りを展開する。

「決勝レースはまず、いいスタートが切れて、4コーナーでの混乱も避けることができて1周目にポジション上げることができました。あの時は目の前でクラッシュがあって、本当に当たったかと思うぐらいギリギリでしたね」

「その後ウエーバーとの接触があって、フロントウイングが壊れたんですけど、インターミディエイトに履き変えるタイミングで交換できました。インターミディエイトのペースはよかったし、その後、ドライタイヤに履き変えて、とくにセーフティカーラン明けの2周ぐらいはこのままもっと前まで行けるんじゃないかというぐらい速かった。ドライだとオーバーヒート気味だったリヤタイヤに、あのコンディションでは他のクルマよりも速く熱が入ったおかげだと思います」

変化するコンディションでのタイヤ交換のタイミングが重要なレースとなったが、小林可夢偉は自らチーム側にタイヤ交換の意思を伝えていた。

「残念ながら他のクルマのタイヤに熱が入り出すとついていくのが難しかったですけど、最後にまたインターに履き変えたらまたペースが戻ってきました。じつは最後のピットインのタイミングは、僕自身はその1周前からインターだ、と伝えてましたんですけど、その分のロスとピット作業の遅れとかがなければもった上位にいけたかなとは思います」

ザウバーは、2013年にニコ・ヒュルケンベルグとエステバン・グティエレスを起用することを発表。小林可夢偉の来季のシートはまだ確定していない。

「3年間戦ったザウバーでの最後のレースを、難しいコンディションでしたが入賞で終えることができましし、自分自身力を出し切って楽しくレースができました。2012年は日本GPで表彰台も獲れたけど、非常に難しいシーズンですごく自分のためになった1年になりました」

「いま2013年に向けた活動に専念しています。単純に僕のわがままかもしれないけれども、僕にとってレースに意味があるのはレースに勝つことなんです。やっぱりトップチームで走りたいし、今のF1では、そのためにはただ走って結果さえ出せばいいという状況ではないのも事実です。

小林可夢偉は、22日(木)にF1活動資金のための募金サイト「KAMUI SUPPORT」を開設。27日の時点で6500万円を越える募金が集まっている。

「おかげさまで「KAMUI SUPPORT」も続々とみなさんからのご支援をいただき本当に感謝しています。少しでも早くいいニュースを届けられたらと思っています。今シーズンみなさんからのいろいろな応援が本当に励みになりました。これからも小林可夢偉をよろしくお願いいたします」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / F1ブラジルGP / ザウバーF1チーム