アイザック・ハジャー F1初表彰台は「これまでの苦労と痛みを思い出した」
レーシングブルズのルーキーであるハジャーは、ザントフォールトでの週末において注目の存在となった。予選で4番手につけると、決勝でもそのポジションを守り抜いた。そして終盤にマクラーレンのランド・ノリスがリタイアしたことで、ハジャーは3位に繰り上がり、チームとともに初めての表彰台を祝った。

イタリアGPを前に、数日間を経て心境を振り返ったハジャーは、P3トロフィーに手をかけた瞬間の感情を次のように語った。

「言葉は出なかった。ただ、自分がF1に辿り着くまでに直面してきたすべての苦労を思い出していた。それだけだった。本当に、苦労と痛みのことだけを考えていたんだ。諦めなくてよかったと思う」

その象徴的な出来事のひとつは、ザントフォールトの週末序盤にあった。金曜の2回目のプラクティスではマシントラブルによりわずか1周しか走れず、土曜以降に向けて不利な立場に置かれた。しかし彼はすぐに気持ちを切り替え、予選で結果を出し、決勝でもその速さを示した。

「それが一番嬉しい部分なんだ」とハジャーは強調した。「レース中も、4位で終われると思っていた。『4位をコントロールできている、素晴らしい仕事をしている』と感じていたんだ」

「だから、純粋な速さでフェラーリやメルセデスを打ち破って4位でフィニッシュできるだけでも、すでに勝利のようなものだった。そして表彰台は、その上に載ったチェリーのような存在だった。でも本当に大事なのは、金曜から土曜にかけて僕たちが積み上げてきたもの、それを思い出すことなんだ」

アイザック・ハジャー F1 ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

モンツァのパドックに姿を見せた木曜日、笑顔を見せていたハジャー。しかし、その裏では少しばかりの“ドラマ”もあった。表彰式後のピットレーンでの祝賀の最中にトロフィーを壊してしまい、その後オランダからイタリアへの移動の間に行方が分からなくなったのだ。

「正直、トロフィーがどこにあるのか分からないんだ。壊れたトロフィーがね」と彼は笑った。「チームが管理してくれていると思う。両方のパーツを良い手に預けてきたから」

「どうなっているのか分からないけど、新しいのが届くのは分かっている。でも僕が欲しいのは壊れた方だ……新しいのなんて気にしない。だってそれはグランプリの歴史の一部じゃないから」

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カテゴリー: F1 / アイザック・ハジャー / F1イタリアGP / ビザ・キャッシュアップRB