ハミルトンはフェラーリF1に溶け込めるのか ベッテルが助言した「イタリア語」

2015年から2020年までフェラーリで戦ったセバスチャン・ベッテルは、マラネロでの時間を「大好きだったし、後悔はない」と振り返る一方、文化への踏み込みが十分ではなかったと自己分析する。
「違っていた。とても違っていた。でも楽しかった。僕は順応したし、その時間を愛していた。イギリスのユーモアも、人々も、レースへのアプローチも好きだった。ただ、母国語が英語ではない自分が、さらに別の国へ行くという状況を想像すると、その難しさは計り知れない」
フェラーリの“心臓”はイタリア文化
18年間、マクラーレンとメルセデスという英国系チームで戦ってきたルイス・ハミルトンにとって、フェラーリは大きな転換点になるとベッテルは語る。
「言語としては英語で仕事はできる。彼はチームの誰とでも意思疎通できる。でも、英語を話せない、あるいは流暢でない人たちもいる。言葉が十分に分からなくても仕事は進む。でも、その人たちや文化を“本当に理解できているか”は別の話だ。フェラーリの心と文化はイタリアにある」
ベッテルは、自身のフェラーリ時代を振り返り、イタリア語への向き合い方が足りなかったと率直に認めている。
「今振り返ると、それは決定的なミスだった。イタリア語は学んだし、レッスンも受けた。でも完璧ではなかった。もっと本気で勉強すべきだったし、もっとイタリアで過ごすべきだった。文化とは、人そのものだからだ」
ハミルトンに伝えた“唯一の助言”
だからこそ、ベッテルは移籍前のハミルトンに、こう伝えたという。
「僕ができる唯一で、最高のアドバイスは『言語を学べ。本当に、徹底的に学べ』ということだ。言語を学ぶには、環境に身を置く必要がある。その国で、人々と話し、文化に触れる。そうすれば、他のことは自然と噛み合ってくる」
セットアップや技術的な会話においては不要だという意見もあるが、「大きな視点で見れば、文化とスピリットを理解するために、言語は極めて重要だ」と強調した。

ハミルトン本人の自己評価「今はあまり良くない」
2025年7月のペローニのイベントで、イタリア語の習得状況を問われたハミルトンは、率直にこう答えている。
「正直、あまり良くない。最初はたくさんレッスンを受けていたけど、シーズンが忙しくなりすぎて、完全に止まってしまった。Duolingoもやっていたし、数週間は順調だったけど、ここ数カ月は何もしていない」
「本当はイタリアに住みたい。でも今年はそれがほぼ不可能だった。毎週のように行ってはいるけど、ちゃんとイタリア語を話せるようになるのが夢だ」
ハミルトンはフェラーリでの初年度をドライバーズランキング6位で終え、キャリアで初めて“シーズン無表彰台”という結果も経験した。ベッテルの言う「言語と文化への没入」は、単なるコミュニケーション手段ではなく、フェラーリというチームの中核に溶け込むための鍵であり、今後の巻き返しに向けた重要な要素になっていく。
カテゴリー: F1 / セバスチャン・ベッテル / スクーデリア・フェラーリ / ルイス・ハミルトン
