トヨタの戦略転換 WRC予算の3分の1をハースF1チームへの投資に投入

2026年の新レギュレーションを見据え、F1への関与を一段と強めるこの判断は、単なる技術提携を超えた長期的なコミットメントを意味する。小松礼雄率いるハースF1チームの成長曲線と、トヨタの将来構想が重なった結果と言えるだろう。
ハースF1チームは未来を築いている──小松礼雄「トヨタのコミットメントがそれを証明している」
小松礼雄は、2025年シーズンを振り返り、チームが着実に前進していると総括した。目標として掲げていたコンストラクターズ選手権6位には届かなかったものの、将来に向けた手応えは確かなものだという。
2025年のハースF1チームは、苦難と高揚が入り混じるシーズンを過ごした。全24戦を終え、獲得ポイントは前年より21点増加し、最終的にコンストラクターズ選手権8位でシーズンを終えている。
当初の目標であった6位には届かなかったが、その差は13ポイントに過ぎなかった。6位はレーシングブルズが獲得しており、アイザック・ハジャーのルーキーとしての躍進と、リアム・ローソンの復帰が大きな要因となった。長丁場のシーズンを考えれば、その差は決して大きくない。
「6位という目標を達成できなかったことは、もちろん残念です」と小松礼雄はコメント。
「しかし、これまでの歩みを振り返れば、ポジティブな要素は非常に多いです。レーシングブルズの6位とはわずか13ポイント差でしたし、アブダビでは再び5番目に速いマシンを持っていました」
シーズン序盤、ハースF1チームは大きな困難に直面した。VF-25は高速コーナーで深刻な問題を抱え、バウンシングが再発していた。この問題はバーレーンテストでは表面化せず、サクヒールとは異なる特性を持つ開幕戦メルボルンで初めて明らかになった。
「開幕戦で大きな問題が見つかりましたが、チームは結束を保ち、迅速に解決しました。その後も最終戦までマシンを改善し続けてきました」
「メルボルンでの車両トラブルから、カタールでのピットストップの問題まで、逆境への対処の仕方が我々の基盤の強さを示しています」
「来年の大きなレギュレーション変更は、参戦初年度以来最大の挑戦になりますが、我々はその未来に向けてチームを正しく築いています」。
小松礼雄がシーズン最大のハイライトとして挙げたのが、メキシコGPでのオリバー・ベアマンの4位だった。順位そのもの以上に、その内容が重要だったという。
「オリーのメキシコでの4位は、我々の能力を明確に示しました」
「マックスを抜き、ラッセルとピアストリを抑え込み、純粋な実力で強豪チームを打ち負かしました」
「タイヤマネジメントからピットストップまで、すべてが高いレベルで機能し、メルセデスに対して1秒を稼ぐことができました。このレースは、我々が強みをすべて噛み合わせた時の真のポテンシャルを示していました」。
2025年に獲得した79ポイントという数字も、チームの成長を裏付けている。
「前年より21ポイント多く獲得しました。これは我々が大きく前進した証拠です」
「これほど拮抗した2025年の選手権で79ポイントを獲得できたことは、1年前よりもはるかに強いチームになったことを意味しています」
「最終戦ではトップチームを除けば、実質的に最速でした。全員が誇りに思うべきです」
「もちろん、まだ目標には届いていませんが、チームとしての働き方や築いてきた価値観を見れば、将来に大きな自信を持っています」。

ハースF1チームは、トヨタ・ガズー・レーシングからの支援強化という大きな追い風も受けている。WRC部門の予算のおよそ3分の1を振り替える形で、チームへの投資が行われたとされている。
「2026年の新たなタイトルスポンサーは、我々の野心を示しています」
「競争する意思がないのなら、F1に参戦する意味はありません。より上位を目指し、成長を続けていきたいです。
「今見えている成長こそが、次のステップへ進むために必要なものだと考えています」
ハースF1チームは、結果だけでなく、その過程においても着実に基盤を固めつつある。小松礼雄の言葉からは、2026年以降を見据えた確かな自信と、長期的な成長への手応えがにじみ出ている。
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