アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格のメディア露出増加は「鬱陶しいだけ」

F1での初年度はとりわけ説得力のある内容だった。レーシングブルズでのシーズンを終え、ドライバーズランキングのトップ10に肉薄。
1度の表彰台と、さらに10回のポイントフィニッシュを積み上げ、シーズンを通して最も印象的なルーキーとして存在感を放った。その結果、レッドブル陣営内での昇格論は自然な流れとして加速していった。
その昇格は最終戦アブダビを前に正式発表された。レッドブル・レーシングは、角田裕毅に代わり、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてハジャーを起用すると公表した。
レッドブル・レーシングのドライバーであることは、必然的により高い期待と注目を意味する。とりわけ、この“難しいシート”で結果を出せずに苦しんだ前任者たちの歴史を踏まえれば、注視の度合いは一層強まる。そうした状況を前に、増える名声と関心に耐えられるかと問われたハジャーは、遠回しな表現を一切使わなかった。
「いいや」とハジャーは言い切った。「正直、ただ鬱陶しいだけだ」
どう対処するつもりかと促されると、今度はユーモアを交えてこう続けた。
「消えるためのプランはあるよ。マスクを着けるとか、分からないけど……」

ルーキーイヤーを終え、ハジャーはレーシングブルズという章に区切りをつける。同チームは、和やかな雰囲気と結束を重んじる文化で知られ、とりわけSNS上ではその空気感が色濃く表れていた。
リアム・ローソンとともに、ハジャーはしばしば遊び心のあるコミュニケーションにも参加してきた。ユーモア動画やミームの再現、意図的に肩の力を抜いたやり取りなど、極めて競争的な世界に“余白”を持ち込む試みだった。
そうした雰囲気の一部を恋しく思う気持ちは認めつつも、ハジャーの優先順位ははっきりしている。
「来年は、ずっとシリアスになる。レーシングブルズは家族的なチームだ。でも同時に、僕はふざけるためにここにいるわけじゃない」
「楽しむのは家に帰って友達とやる。サーキットでは仕事をするためにいる。それはまったく苦じゃない」
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