FIA会長ビン・スライエムに再選支持 FIA加盟36クラブが連名書簡
現FIA会長モハメド・ビン・スライエムが再選を目指すなか、36の自動車クラブ(主にアメリカ大陸)が連名で彼を支持する書簡を提出した。

これは、カルロス・サインツSr.がFIA会長選挙への立候補を検討しているとの報道が出た直後の出来事であり、現職にとっては重要なタイミングでの支援表明となった。

FIA内部では、ビン・スライエムの任期中に要職にある人物の退任が相次いだほか、FIAメンバーの会議参加を制限したり、ドライバーに対する「暴言禁止令」などが物議を醸してきた。

しかし今回、南米スポーツ部門のFIA副会長でありバーニー・エクレストンの妻でもあるファビアナ・エクレストンを含む36のクラブが、アラブ首長国連邦出身のビン・スライエム会長に対して公然と支援を表明した。

FIA 国際自動車連盟 F1バーニー・エクレストンと妻ファビアナ・エクレストン

書簡には次のように記されている。

「親愛なるモハメド会長殿。以下に署名した加盟クラブを代表し、あなたの尽力、献身、ビジョン、そして何より私たちに約束してくださったマニフェストの実現に対して、心からの感謝を申し上げます」

「あなたが会長に就任された当時、FIAが極めて深刻な財政難に直面していたことを私たちは十分に認識しています。初日からあなたが下した果断な決断がなければ、FIAの未来そのものが危機に瀕していたでしょう。4年足らずで成し遂げられた財政の立て直しは並外れた成果であり、同時に導入された専門的な経営システムと相まって、真の変革が実現されました」

「私たちクラブの会長として、あなたとそのリーダーシップチームが日々、私たちメンバーの声に耳を傾け、平等に尊重し、積極的に関与してくださっていることを肌で感じています。この包摂的な姿勢は、深く感謝されるべきものです」

「また、あなたとチームがFIAをモビリティとモータースポーツ双方における世界的リーダーとして再定義しようと尽力されてきたことも高く評価します。FIAのブランド力と評価は、明らかにあなたのリーダーシップのもとで向上しました」

「もっとも、始められた改革を完遂するには4年間という期間はあまりに短いとも理解しています。したがって、次回の年次総会にて再選を目指されることを強く望みます。あなたが着手した重要な改革を引き続き推進されることを、私たちは全面的に支持し、将来に対する希望とともに感謝の意を表します」

署名者一覧:
■ リカルド・モラレス・ルビオ(コロンビアモータースポーツ連盟会長、FIA南米・中米地域会長)
■ フランク・フォティア(カナダ自動車協会COO、FIA北米・カリブ地域会長)
■ ファビアナ・エクレストン(FIA副会長・南米スポーツ部門)
■ ダニエル・コーエン(コスタリカモータースポーツ連盟会長)
■ カルメロ・サンツ・デ・バロス(スペイン王立自動車クラブ会長)
■ ゴルキ・オバンド(エクアドルFIA代表)
■ ティム・シアーマン(FIA副会長・モビリティ観光部門、カナダ自動車協会会長)
■ イバン・ディボス(ペルー自動車クラブ会長)
■ ペドロ・コフィーノ(グアテマラモータースポーツ連盟会長)
■ ホルヘ・アベッド(メキシコモータースポーツ連盟会長)
■ セルウィン・パーサド(トリニダード・トバゴ自動車協会理事)
■ ダンテ・ペスチェット(パナマモータースポーツ連盟会長)
■ スティーブン・ガンター(ジャマイカモータースポーツ連盟会長)
■ ウーゴ・メルサン(パラグアイモータースポーツ連盟会長)
■ アルバロ・オリバー(ドミニカ共和国モータースポーツ連盟会長)
■ デイビッド・マクラフリン(バハマモータースポーツ連盟会長)
■ ジョバンニ・ラモス・ゲラ(ブラジルモータースポーツ連盟会長)
■ ホルヘ・トマシ(ウルグアイモータースポーツ連盟会長)
■ アレハンドロ・キンタナ(チリモータースポーツ連盟会長)
■ ガストン・モンテジャーノ(ボリビアモータースポーツ連盟会長)
■ セバスチャン・パストール(ホンジュラスモータースポーツ連盟会長)
■ ルイス・ブルゴス(プエルトリコモータースポーツ連盟会長)
■ セサル・カルマン(アルゼンチンモータースポーツ連盟会長)
■ ホアキン・メロ(ブラジル自動車クラブ会長)
■ ウーゴ・バレラ(エルサルバドル自動車クラブ会長)
■ ルアンダ・カルラ・ダンタス・ゲラ(ブラジルモータースポーツ連盟スポーツ担当大臣)
■ エンツォ・スパーノ(ベネズエラ連盟会長)
■ アルバロ・ラカヨ(ニカラグア連盟会長)
■ カルロ・ファルコーネ(アンティグア・プロ・レーシング会長)
■ ロナルド・クラン(ハイチ・オートスポーツ会長)
■ マウリシオ・メロ・アヴァリア(チリFADECH会長)
■ ビクター・ムルガ(ベリーズ自動車クラブ会長)
■ エリック・ドバルガネス(キューバ連盟会長)
■ マヘンドラ・ボドゥー(ガイアナモーターレーシング会長)
■ アドリアノ・アブレウ(ドミニカ共和国FDA会長)
■ アストン・エリゴン(TTASA=トリニダード・トバゴ自動車スポーツ協会会長)
■ ジェーン・スカレッタ(ケイマン・モーターフェデレーション会長)

このように、ビン・スライエム体制に対してはアメリカ大陸を中心とする幅広い支持が集まりつつあり、今後の選挙戦の行方に注目が集まる。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)