F1 2027年エンジン変更案は“メルセデス潰し”? 開発現場に混乱も

現在検討されている案では、2026年に導入される新世代PUの“電動50%:内燃50%”という構成から、2027年には“内燃60%:電動40%”へ移行する方向で議論が進められている。
FIAは電動出力を50kW削減し、その分を内燃エンジン側で補うことで、ドライバーにとって「より自然で直感的なドライビング」を実現したい考えだ。
ナオミ・シフ「メルセデス時代を潰す可能性もある」
ナオミ・シフは『Up To Speed』ポッドキャストで、今回の変更案には技術面だけでなく政治的側面も絡んでいると指摘した。
「この件には本当にいろいろな要素が絡んでいると思います。政治的側面もあります。メルセデスは現在エンジン面で先行していて、自分たちのパフォーマンスにも満足しているはずです」
「だから、“これは彼らを罰することになるのでは?”と言う人もいます。もしかしたら、またメルセデスの支配時代になるはずだったのかもしれません。でも実際には、多くのことが変わろうとしています」
シフは特に、現在の電動比率ではバッテリー効率に限界があり、ドライバーのエネルギーマネジメント負担が大きすぎる点を問題視した。
「現状のバッテリーは十分に効率的ではありません。そのせいでドライバーは延々とマネジメントを強いられています」
「もし60:40へ変更すれば、バッテリー管理は減ると思います。バッテリーの持続性が改善され、より効率的になるからです」
燃料タンク変更でシャシー設計にも影響
一方で、シフはこの変更が単なるPU調整では済まない可能性も警告した。
内燃機関側の比率が増えれば、当然ながら燃料消費量も増加する。その結果、一部チームではより大容量の燃料タンクが必要になり、シャシー全体の再設計につながる可能性があるという。
「ただし、それはより多くの燃料を燃やすということでもあります」
「そして燃料が増えるということは、一部のチームでは新しい燃料タンクが必要になるかもしれません。すべてのチームではありません。どこまで燃料セルを限界まで小型化しているかは分かりませんから」
「でも新しい燃料タンクが必要になれば、シャシーに劇的な変更が必要になる可能性があります」
2027年変更案が各チームの開発計画を混乱させる可能性
シフはさらに、各チームがすでに2027年マシン開発をかなり進めている時期であることにも言及した。
「チームはすでに来季マシンの設計をかなり進めている段階だと思います」
「風洞用モデルの製作プロセスに入っているチームもあるはずです。通常、風洞モデルを投入する期限は6月頃になります」
「となると、今からまた設計をやり直すのか? どうやってスケジュールを維持するのか? という話になります」
2026年レギュレーションは、アウディやレッドブル・フォード、キャデラックF1など新規・新体制メーカーの参入を前提に長期間かけて策定された経緯がある。それだけに、導入からわずか1年後に大幅な方向転換を行えば、PUメーカー間の勢力図だけでなく、各チームの車体開発スケジュールそのものにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
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