FIA会長スライエム 2026年F1新V6批判を一蹴「文句を言うのは負けている側」

一方で、モハメド・ビン・スライエムはそうした批判の背景に「競争力の差」があると主張。さらに2031年からのV8回帰構想についても改めて言及し、2030年終了後にはFIAが投票なしでエンジン規定を主導できると明かした。
「不満を言っているのは負けている側だけ」
モハメド・ビン・スライエムは『Forbes』に対し、2026年PUレギュレーションは十分な準備期間を経て導入されたと強調した。
「我々はPUメーカーとも協議したし、チームとも協議した」とモハメド・ビン・スライエムは語った。
「私が就任したのは2022年で、このレギュレーションは2022年8月に署名された。しかし、これは8か月で決まったものではない」
「18か月にわたって全チームと集団的に議論を行い、その後に導入された。2022年8月から、今年バルセロナで最初のテストを行うまで、全員にとって十分な時間があった」
そのうえで、現在の混乱は各チームごとの問題にすぎないと指摘した。
「あるチームはマシンに問題を抱え、別のチームはPUに問題を抱え、さらに別のチームはシャシーに問題を抱えている」
「だが興味深いのは、後方にいる者たちだけが不満を言っていることだ。メルセデスやフェラーリが不満を言っているのを聞いたか? もちろん聞いていない。これはサイクルなんだ」
「今は非常に強い者がいて、他の全員がその座を奪いたがっている。それが競争というものだ。しかし批判は、自分たちが正しく対応できなかった側からしか出てこない」
FIAは開幕後もルール修正を継続
FIAは開幕戦後から2026年レギュレーションの見直しを続けており、マイアミGPではエネルギーマネジメント関連を中心に複数の修正が導入された。2027年レギュレーションについても、すでに変更作業が進められている。
モハメド・ビン・スライエムは、ドライバー側の意見も反映して改善を進めていると説明した。
「オーストラリアの後に議論を行い、技術部門とシングルシーター委員会とも協議した。その後、ドライバーたちにも意見を求めた」
「我々は電動化の適用方法や安全性についてドライバーたちと協議した。そして今では、状況は改善しているように見える」
「これを行うことがFIAの責任だ。我々は思いつきで決定を下しているわけではない。我々は関係者と協議し、情報を集め、そのうえで一つのチームではなく、全体にとって最善のものを選んでいる」
2031年V8回帰構想を再び主張
モハメド・ビン・スライエムは、以前から主張しているV8エンジン回帰案についても再び言及した。今回は「決定事項」ではなく、「ますますそう考えている」とトーンを変えつつも、2030年終了後にはFIA主導で新PU規定を決定できると説明している。
「新しいエンジンについては、V8の話をしてきた。そして私は、ますますV8を復活させる方向に傾いている」
「2030年シーズン終了時点で、FIAは投票を経ることなくエンジン設計の権限を取り戻すことになる」
「ただ我々としては、それを1年前倒しで実現したいと思っている」
現在の2026年PUは、“50対50”のハイブリッド比率や大幅な電動化を特徴としている。しかし開幕後には、エネルギー不足による失速やレース中のマネジメント偏重が問題視され、FIAはすでに修正対応に追われている。
その状況下でのV8回帰発言は、現行規則への不満をかわしつつ、将来的な方向転換への支持を集める狙いも透けて見える。
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