フェラーリF1“革命PU”が裏目? メルセデスに10馬力差の危機

マイアミGPまでにフェラーリは3回の表彰台を獲得したが、直近2戦ではマクラーレンにも後れを取る展開となった。シャシー性能は高く評価されている一方で、PU性能不足が足かせになっているとの指摘がパドック内で強まっている。
100度超の“異端設計”を採用したフェラーリF1
伊モータースポーツ系メディア『Motorsport Italia』によると、フェラーリは2026年F1パワーユニットにおいて、あえて出力を犠牲にする代わりに、マシン全体の性能上限を引き上げる方向性を選択したという。
一般的にはPUへ取り込む空気温度は70〜80度前後が理想とされるが、フェラーリは100度を超える“前例のない”高温コンセプトを採用。記事では「革命的」と表現されている。
この極端な設計により、SF-26ではサイドポンツーン周辺などで非常に攻めた空力パッケージが可能になったとされる。
しかし、その代償としてメルセデスPUに対して10〜12馬力を失っている可能性があると報じられている。
“エンジンフォーミュラ化”の読みを外した可能性
2026年F1は新PUレギュレーション導入により、「エンジン性能が勢力図を左右する」との見方が開幕前から支配的だった。
だがフェラーリは、純粋なPU出力競争よりも“総合性能型パッケージ”を優先。その結果、空力面では優位性を得たものの、ストレート性能で苦戦する状況に陥っている可能性がある。
実際、フェラーリはマイアミGPで11個ものアップグレードを投入したにもかかわらず、パフォーマンス向上は「0.08秒」にとどまったとされている。
この結果は、現在のSF-26が“シャシーで補い切れないPU不足”を抱えていることを示唆している。
カナダGP後へ延期された“救済システム”評価
フェラーリは現在、FIAが導入したADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発救済制度)による巻き返しを狙っている。
この制度は、基準PUとの差が大きいメーカーに対して追加開発機会を与える仕組みで、フェラーリは夏以降のPUアップグレード投入を計画しているという。
当初、FIAはマイアミGP後に各PUメーカーの性能差を評価する予定だった。しかしバーレーンGPとサウジアラビアGPの開催中止により、マイアミが“第4戦”となったことで、評価タイミングはカナダGP後へ延期された。
この変更により、フェラーリのアップグレード計画にも影響が及ぶ可能性がある。
現在のフェラーリは“最高レベルのシャシー”を持ちながら、その武器を最大限活かし切れていない状況とも言える。今後数戦で性能向上が見られなければ、現在の唯一の強みである車体性能面でもライバル勢に飲み込まれる可能性が出てきそうだ。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ
