フェラーリF1 メルセデスの“特殊燃料”に疑念 馬力差拡大でFIA検査強化へ

モナコGPではフェラーリが優勝候補と見られているが、それはシャシー性能の高さが大きく影響する例外的な舞台とされる。一方で、エンジン面ではメルセデスとの差が開きつつあるとの見方が強まっている。
フェラーリが疑う“特殊燃料”と圧縮比の抜け穴
Motorsport Italiaによれば、フェラーリはシーズン開幕時点でメルセデスに対して約20馬力のビハインドがあると見積もっていた。しかし現在では、その差がさらに拡大した可能性があると見ている。
冬の段階から、メルセデスがエンジンレギュレーション上の抜け穴を利用し、燃料の最大許容圧縮比16:1を超える形で運用しているのではないかという噂があった。その運用には“特殊燃料”が必要とされる一方、追加の馬力を得られる可能性があるとされている。
フェラーリは、この仕組みがメルセデスの優位を押し広げていると強く疑っている。どれほどの馬力差につながっているかについては見方が分かれるが、重要なのは、これまでのFIA検査では検出できなかった可能性がある点だ。
FIAはモナコGPから高温状態で検査へ
FIAはモナコGP以降、従来の常温状態ではなく、130度の高温状態でエンジンを検査する方針に切り替える。これは、問題視されている抜け穴を塞ぐための措置とされる。
さらに8月以降には、この議論に決着をつけるため、より厳格な検査が導入される可能性もある。
一方、メルセデスのブリックスワースにあるエンジン部門からは、今回の取り締まりによって「何も変わらない」との見方が出ている。仮に燃料の変更を迫られる事態になれば、パフォーマンス低下が目に見える形で表れる可能性もあるが、現時点ではメルセデス側は影響を否定している。
ADUOを待つフェラーリと勢力図への影響
フェラーリは2026年F1エンジン規則に新たに導入されたキャッチアップ制度、ADUO(追加開発・アップグレード機会)の対象になると見込んでいる。ただし、大規模なアップデートが投入されるまでにはまだ数か月を要する。
メルセデスはワークスチームだけでなく、マクラーレン、アルピーヌ、ウィリアムズにもパワーユニットを供給している。そのため、仮に燃料や検査基準をめぐる問題が実際の性能差に影響していた場合、2026年F1シーズン全体の勢力図にも波及する可能性がある。
フェラーリにとってモナコGPは勝機のある一戦だが、低速市街地という特性がその弱点を覆い隠すにすぎない可能性もある。FIAの検査強化によってメルセデスの優位が維持されるのか、それとも馬力差に変化が生じるのか。2026年F1パワーユニット戦争は、技術開発だけでなく燃料と検査基準をめぐる攻防へと広がっている。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / メルセデスF1
