マイアミGPでF1レギュレーション修正導入も「第一歩」にとどまる見方

シーズン開幕から指摘されてきた「極端な速度差」や「リフト・アンド・コーストの多発」といった課題に対し、一定の対策は講じられたが、パドックでは「抜本的解決には至らない」との見方が大勢を占めている。
エネルギー管理と安全性に焦点を当てた修正
今回の変更の柱となるのは、エネルギー運用に関する制限強化だ。
最大エネルギー回生量の削減に加え、「スーパークリップ」のピーク出力は引き上げられた。一方でレース中のブースト使用には制限が設けられ、過度な速度差の発生を抑制する狙いがある。
FIAは「スーパークリップの最大持続時間を1周あたり2〜4秒に制限する」ことを目標に掲げており、これにより極端な加速差の是正を図る。
さらに、安全面ではスタート時の極端な低速走行を防ぐ自動システムが導入されるほか、ウエットコンディションに関する運用も見直される。
FIAは今回の措置について、「過度な接近速度を抑えつつ、オーバーテイク機会とパフォーマンス特性を維持すること」が狙いだと説明している。
「第一歩」に過ぎないとの冷静な評価
こうした修正に対し、現場の反応は概ね肯定的ながらも慎重だ。
Auto Motor und Sportのトビアス・グリューナーは「マイアミ前の調整は第一歩に過ぎない」と指摘する。
「状況を大きく改善するには、内燃機関側の出力も引き上げる必要がある」とし、より踏み込んだ変更は2027年、あるいは2028年まで実現しない可能性に言及した。
De Telegraafのエリック・ファン・ハーレンも影響は限定的との見方を示している。
「現在導入されている小規模な変更では、彼の望みを満たすには至らない」とし、とりわけマックス・フェルスタッペンのような批判的立場のドライバーには不十分だと伝えた。

チーム側は評価も“さらなる改善”前提
一方でチーム側は、今回の合意プロセス自体を前向きに評価している。
ジェームス・ボウルズは「これは理にかなった変更であり、ここ数週間でチーム、FIA、F1が良い仕事をした結果だ」と述べた。
「今年はすでに素晴らしいレースも見られているが、常に改善を追求するのは正しいことだ」と続けている。
マクラーレンのアンドレア・ステラも、協調的な姿勢を強調した。
「全員が示している責任感と協力の精神こそが、現時点でF1が示すべき最善の答えだ」
ドライバー視点では方向性は一致
技術的な方向性については、ドライバー側の提案とも一定の一致が見られる。
ジョージ・ラッセルは以前からスーパークリップ出力の引き上げを「明確な解決策」として挙げていた。
「これだけでもリフト・アンド・コーストを強いられる状況の多くは避けられるはずだ」
今回の修正は確かに現状への対応としては前進だが、エネルギー依存構造そのものに手を入れない限り、根本的な問題は残る。マイアミでの実走データが、その“第一歩”の実効性を測る試金石となる。
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