エイドリアン・ニューウェイ AMR26失敗の責任認める「私が主導した方向性」

これまで低迷の主因としてホンダ製パワーユニットに注目が集まってきたが、ニューウェイはシャシー開発や組織体制、開発スケジュールの遅れなど複数の要因が重なった結果であり、自身が主導した空力コンセプトもその一因だったと振り返った。
開発開始の遅れがすべての出発点
ニューウェイによると、2026年の新レギュレーションに向けた本格的な開発は大幅に出遅れていた。
本来であれば各チームは2025年1月1日に風洞やCFD(数値流体解析)の使用が解禁されると同時に本格開発へ移行した。しかしアストンマーティンは、ニューウェイが3月1日に加入するまで開発を本格化させず、大きなハンディを背負うことになった。
ニューウェイは当時を振り返り、その遅れがシャシーだけでなくホンダ製パワーユニットとの統合にも影響したと説明した。
「振り返れば期待が大きすぎたのかもしれない。そしてライバルたちのレベルの高さを忘れてはいけない」
「2026年マシンの本格開発を始めたのは2025年3月中旬だった。風洞モデルを投入できたのは4月中旬で、ライバルより数か月遅れていた。その差は非常に大きかった」
組織の成熟不足と自身の判断ミス
ニューウェイは、開発の遅れだけではなく、チーム全体の組織力にも課題があったと認めた。
優秀な人材は揃っていたものの、部門間の連携が十分ではなく、一つの組織として機能しきれていなかったという。
さらに、限られた時間の中で複数の設計コンセプトを比較検討する余裕がなく、自身が主導した空力コンセプトにも問題があったと説明した。
「時間は大きな要因だったが、それだけではない。優秀な人材は揃っていたものの、組織として理想的な形で連携できていなかった。期待は非常に高かったが、現実はそれに追いついていなかった」
「空力面では、時間がなかったこともあり、私が主導してリスクの高い方向性を選択した。根本的に間違っていたとは思わないが、予想していなかった課題が生じる結果になった」
ホンダとの統合で発生した振動問題
AMR26最大の問題となったのが、ホンダ製パワーユニットとシャシーを組み合わせた際に発生した激しい振動だった。
ベンチテストでは問題のなかった振動が実車では大幅に増幅され、信頼性向上のための対策が必要となった。その結果、車体重量も増加し、パフォーマンス低下を招いた。
ニューウェイは、重量増加はホンダとの統合だけが原因ではなく、自分たちの設計にも問題があったと認める。
「シャシーはかなり重量オーバーになっている。その一部はホンダとの統合や振動対策によるものだ」
「しかし重量削減について私たち自身も十分な仕事ができなかった。開発を急ぐと、真っ先に犠牲になるのが重量最適化だ」

転機となったオーストラリアGP
ニューウェイは、プレシーズンテストの時点では問題の全容を把握できていなかったと明かした。
バルセロナやバーレーンテストでは、パワーユニット、ギアボックス、シャシーを正常に機能させることに多くの時間を費やし、本格的な性能評価ができなかったという。
そして実質的に初めてマシン本来の状態を確認できたのが、開幕戦オーストラリアGPのフリー走行3回目だった。
「メルボルンが目を覚まされる瞬間だった。パワーユニットの問題が続いたため、実質的に最初の本格テストはオーストラリアGPのフリー走行3回目になってしまった」
「それ以前のバルセロナやバーレーンでは、パワーユニットをシャシーやギアボックスと正常に機能させることに多くの時間を費やしていた。まさに起こり得る悪いことがすべて起きたような状況だった」
AMR26Bで巻き返しを狙う
ニューウェイは、現在の問題は一つの要因ではなく、開発開始の遅れ、組織の成熟不足、自身が主導した設計判断、そしてホンダ製パワーユニットとの統合作業が複雑に重なった結果だったと総括した。
アストンマーティンは現在、大規模アップデート版となる「AMR26B」の投入を準備しており、チームはハンガリーGPでの投入を目標としている。このパッケージが低迷から脱却するきっかけとなるかが注目される。
カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1
