角田裕毅は“構想外”? レッドブルF1マルコ「ハジャーはアイルトン・セナ級」

5年目でつかんだトップチームでのチャンスは22レースで幕を閉じる可能性が高く、ヘルムート・マルコによるアイザック・ハジャーのアイルトン・セナ級評価が、角田裕毅の未来をほぼ決定づけた。
角田裕毅の来季契約は未確定のまま。残り3戦でランキング17位という厳しい状況に置かれている一方、デビューイヤーのアイザック・ハジャーはレーシングブルズで驚異的なパフォーマンスを見せ、同ポイントのニコ・ヒュルケンベルグと並ぶランキング9位、初年度で表彰台も獲得。レッドブル昇格は“既定路線”とみられている。
ハジャーを“セナやシューマッハと同類”と評したマルコの衝撃発言
ヘルムート・マルコはF1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』で、アイザック・ハジャーへの評価を一段と引き上げた。
マルコは、初めて走るサーキットでも数周で最速ゾーンに到達するハジャーの適応力を称賛し、「これはフェルスタッペンと同じ能力だ」と繰り返してきた。しかし今回、例えのスケールがさらに跳ね上がった。
「ほとんどのサーキットが初めてにもかかわらず、彼は3周で競争力を発揮する。私はミハエル・シューマッハやアイルトン・セナを間近で見てきたが、彼らも同じだった」
「50周もテストを必要としない。来て、ブーム、すぐに速いんだ」
この発言は、アイザック・ハジャーの2026年レッドブル昇格を事実上“宣言”したのと同義だ。これほどの才能をミッドフィールドに長く置いておくはずがない。
角田裕毅の選択肢は“レーシングブルズ復帰のみ”に収束
残された可能性は一つ。レーシングブルズへの出戻りである。
現時点で角田裕毅はレッドブル系ドライバーの中で最下位のポイント数。シーズン序盤の苦戦により、昇格後も完全に流れを掴めずにいる。
一方で、レーシングブルズ側のシート争いは熾烈だ。
リアム・ローソンがプレッシャーを受けながらも結果で応える中、F2のアービッド・リンドブラッドの昇格が現実味を帯びている。
メキースは“角田裕毅切り”に抵抗、若手の早期昇格に慎重姿勢
報道によれば、レーシングブルズ代表ローラン・メキースは角田裕毅の放出に「苦しんでいる」という。
個人的な関係以上に、若手を急速にトップカテゴリーへ押し上げるリスクを懸念しているためだ。
ただし決定権は最終的にヘルムート・マルコとレッドブル本社側にあり、アイザック・ハジャーの評価がここまで高まった以上、潮目を変えるのは容易ではない。
“発表を遅らせる理由”はレッドブルのコンストラクターズ争い
記事は、角田裕毅の放出決定が非公表のままなのはコンストラクターズ2位争いのためと指摘する。
レッドブルは現在メルセデスを32ポイント差で追いかけており、チームは最後まで角田裕毅に全力で走ってもらう必要がある。
よって決断は下されていても、発表は最終戦アブダビ以降――という見方が強い。
“セナ級ハジャー”がすべてを動かした
F1界では若手の一気の台頭がベテランを押し流すことは珍しくないが、アイザック・ハジャーのケースはその極端例といえる。
■ セナ/シューマッハ級のサーキット適応
■ デビュー年で表彰台
■ レッドブルの将来ピースとして確定視
こうした評価が積み重なり、角田裕毅の未来は急速に狭まっていった。

角田裕毅の“運命の3戦”
残りはラスベガス、カタール、アブダビの3連戦。
角田裕毅がレッドブル残留を覆す現実的可能性は限りなく小さいが、レーシングブルズへの復帰――そしてF1キャリア継続――を勝ち取るための最後の戦いが始まる。
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