レッドブルF1が改善 ヘルムート・マルコ「もうカンガルーのように跳ねない」

そして迎えた土曜の予選では、その言葉どおりレッドブルは確かな前進を示した。マックス・フェルスタッペンがポールポジションまで0.182秒差の2番手につけ、チームとして久々にシンガポールでフロントロウを確保した。
一方、角田裕毅はQ2で敗退し15番手。チームメイトとの差が大きく開いたが、レッドブル勢としては確実にマシンの競争力を取り戻しつつある。
マルコは金曜の段階で英オートスポーツ誌に対し、次のように語っていた。
「ここでこれほど良い金曜日を迎えたのは、何年ぶりか分からないほどだ。間違いなく前進した。予選ではコンマ数秒差の戦いになると思う」
「(赤旗が2回出たため)誰もロングランはできなかったが、基本的にマックスはクルマに満足している。まだ少し調整すべき点はあるが、最終的には非常に僅差になるだろう」
フェルスタッペンが昨年モナコGPで「カンガルーのように跳ねる」と無線で嘆いた問題についても、今回のシンガポールでは改善が見られた。
「クルマは良くなっている。以前はいつも『カンガルーのように跳ねる』と文句を言っていたが、今は縁石を越える時の動きがかなり改善されている。アンダーステアも減った」
マルコはまた、アロンソがプラクティスで上位に食い込んだことを受け、アストンマーティン勢の速さにも言及していた。
「アロンソはどのセッションでも速かった。彼らはブダペストでも良いパフォーマンスを見せた。似た特性を持つサーキットだし、考慮すべき存在だ」
その一方で、レーシングブルズのアイザック・ハジャーがFP2で2番手タイムを記録したことについては「勝つことはないだろうが、かなり上位に来る可能性はある」と述べていた。実際、ハジャーは予選で8番手を獲得し、マルコの見立てを裏付ける結果となった。
レッドブルは依然としてマリーナベイでの初ポールを逃したものの、マシンバランスの改善と縁石通過性能の向上は確かに成果を上げており、日曜決勝では優勝争いの一角を担う可能性が高い。
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