ホーナーのレッドブルF1電撃解任にエクレストンが見解「自業自得だった」
クリスチャン・ホーナーがレッドブルから電撃解任されたことを受けて、F1界の重鎮バーニー・エクレストンが沈黙を破り、長年の盟友の「没落」について率直な見解を語った。

20年にわたりチーム代表を務め、F1で最長在任記録を持っていたホーナーは今週、突如その職を追われた。発端となったのは、18カ月前に勃発したセクハラスキャンダルだ。この騒動をきっかけに、チーム内では複数の重要人物が離脱し、混乱が続いていた。

エクレストンは英Telegraphの取材に対し、「18カ月前にあいつが巻き込まれた件だけど、ただのバカだったんだ。50歳にもなって自分を20歳のつもりで、仲間の一人だと勘違いしていた」と厳しい言葉で批判した。

ホーナーは性的嫌がらせや支配的行動の疑惑については二度にわたって潔白とされたが、WhatsAppでのやり取りとされるスクリーンショットが流出したことで、世間の注目を浴び、レッドブルにとって大きなイメージダウンとなった。

女性側の主張についても、エクレストンは同情を示すどころか「こういうことが起きたとき、もし本当に彼女が嫌なら『おい、やめろよ』って言えばいいじゃないかといつも思う」と発言。かねてから女性に対する物議を醸す発言を繰り返してきた彼らしいスタンスを崩さなかった。

さらにエクレストンは、ホーナーに権力が集中しすぎていたことがレッドブル上層部の不満を買ったと指摘した。

「本当は『クリスチャン、ちょっと話そうか』と呼び出して話すべきだったのかもしれない。でも、結局のところ、あいつがいろんなことを好き勝手にやっていると思っていた連中がいたんだ。まるでここはレッドブル・リンクじゃなくて、クリスチャン・ホーナー・リンクだとでも言わんばかりだった」

「これまでは結果を出していたから周囲も見て見ぬふりをしていた。でも結果が出なくなると、みんなが見始める。中には『自分ならもっと上手くやれる』と考え始める人も出てくるものだ」

クリスチャン・ホーナー レッドブル・レーシング

2022年に共同創業者のディートリッヒ・マテシッツが亡くなって以降、レッドブル内では主導権を巡る混乱もあったという。

「正直、ちょっと混乱していたよ。クリスチャンはCEOだった。もし私がCEOなら、責任を持ってやりたいことをやるし、失敗すればクビにすればいい。『間違えたな、バイバイ』と言ってくれればいい」

「だから、クリスチャンに自由がなくなった時点で、あいつにとっては簡単な状況じゃなかった。中途半端にマネジメントなんてできない。物事の電源を入れて切るように、誰か一人が指揮を執る必要がある」

また、ホーナーが全権を握るスタイルに固執したことが墓穴を掘ったとも語った。

「チームマネージャーに専念して、商業面は他の誰かに任せるよう提案されたこともある。だけど、あいつは『自分はCEOだ』って言い張っていた」

「全てをこなせる経営者なんてほとんどいない。エンジニアリングから広報まで何でもやろうとしていた。長い間はそれで良かった。結果を出していたから。でも、少しでも崩れ始めると、みんなが『ちょっと待てよ』と気付き始めるんだ」

「クリスチャンは多くのタイトルを獲った勝者だった。だから、勝てなくなると辛くなる。しかも、自分のせいだけじゃないと分かっているなら、なおさらだ」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / バーニー・エクレストン