レッドブルF1 メキース代表「フェルスタッペンに速い車を用意することが焦点」

会見冒頭で話題となったのは、当然ながらマックス・フェルスタッペンの去就だった。
フェルスタッペンは2028年までレッドブルと契約を結んでいるが、特定の条件下で契約を途中解除できる条項があるとされ、メルセデスへの移籍の可能性が取り沙汰されている。
だがメキースは、フェルスタッペンを納得させる方法は明快だと語った。
「優先事項として確かなのは、マックスが求めているのは“速いクルマ”だということだ。もし我々が彼に速いクルマを用意できれば、他のあらゆる要素は打ち消される」
「だからこそ、私の焦点は“いかに早くチームを理解し、その競争力を次の段階に引き上げるか”にある。それが、速いマシンを作ることにつながり、結果としてマックスにとっても簡単な決断になるはずだ」
レッドブルの強さは「人材の深さ」にある
過去1年で複数の主要メンバーが離脱し、今季はパフォーマンスにも陰りが見え始めたレッドブル。それでもメキースは、チーム内には依然として圧倒的な力があると断言する。
「この2週間で目にしたのは、非凡な才能と驚くべきレーシングスピリットだった。あらゆる部門が限界まで挑戦していて、立ち止まっているような雰囲気は一切ない。むしろ、皆が“戦っている”と感じる」
「我々がすべきことは、このすべての人材──女性も男性も──が自分の力を最大限に発揮できる環境を整えることだ。支援し、必要なリソースを与える。それが大事だ」
「チームには“弱さ”は見えない。あるのは“このレッドブル・エナジーを取り戻したい”という強い意志だ。外からのノイズを減らし、純粋にレースに集中したいという気持ちだね」
さらにこう続けた。
「この移行期は、人材のさらなる“エンパワーメント”のチャンスでもある。各所で“レッドブルの人材層の厚さ”について話されるが、まさにその通りだ。次のレギュレーション変更に向け、全員が新たな競争力をともに築き上げる機会と捉えている」
「我々はそれを“隠れたラップタイム”と呼んでいる。それは風洞のデータやエンジンの出力には現れないものだ。どれだけ人がやる気に満ち、信頼し合い、助け合っているか──それが本当の力になるんだ」

“レース最優先”の組織づくりへ──ホーナー時代との違いは?
ホーナー解任の詳細は明かされていないが、内部での権力闘争が背景にあったという報道もある。ではメキースは、ホーナーとは異なり“レース部門”に専念するスタンスなのか?
この問いに対し、メキースは構造について語るには時期尚早としつつも、明確な意志を示した。
「今はまだ“組織の構造”について話す段階ではないかもしれない。でも確かなのは、あらゆるレベルでボトルネックが生まれないようにしっかりと“焦点”を絞っていくということだ」
「F1を最優先に──それが我々のアプローチだ。シャシー部門、パワーユニット部門、その両方が中心になる。このチームの人々は“レース”が大好きだし、そこに集中することこそが最も重要なことだ」
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング