2025年F1 ハンガリーGP展望:ピアストリが首位固め狙う夏休み前決戦

特に注目は、前戦スパで今季6勝目を挙げたオスカー・ピアストリと、16ポイント差で追うランド・ノリスのマクラーレン勢による直接対決。勢いを保って休みに入るか、それとも巻き返しの流れを掴むか──両者にとって大きな分岐点となる週末が待っている。
勢いを持って休みに入れるか?
オスカー・ピアストリは、F1初勝利を挙げたハンガロリンクに16ポイントのリードを持って戻ってくる。前戦スパでは見事な勝利を飾り、マクラーレンのチームメイト、ランド・ノリスとのタイトル争いにおいて優位に立った。
この勝利は4戦ぶりで、オーストリアとイギリスで連勝したノリスに一時は1桁差まで詰め寄られていたが、再び差を広げる形となった。
今回のレース結果は8月いっぱい引きずることになるため、例年以上に大きな意味を持つ。ピアストリが再び勝てば、ノリスに対するリードは最大で23ポイントにまで広がり、実質1勝分の差を持って夏休みに入ることになる。
一方でノリスが勝てば差は最大で9ポイントまで縮まり、逆襲の流れを作ることができる。今季のタイトル争いは今後も拮抗が続くと見られるが、今回の結果はしばらくの間その印象を決定づける。

ハミルトンとフェラーリはベルギーからの巻き返しを目指す
ルイス・ハミルトンにとって、ベルギーGPの週末は厳しいものとなった。アップグレードされたフェラーリにまだ慣れておらず、予選ではスプリント・本戦ともにQ1敗退を喫した。
スプリント予選でのスピンは新コンポーネントの設定ミスが一因とされ、土曜のQ1ではトラックリミット違反でベストタイムが抹消された。
それでも決勝では素晴らしい巻き返しを見せ、ピットレーンスタートから7位まで浮上。新しいリアサスペンションなどアップグレードの理解が進んだことで、週末を通じてマシンとの一体感が増していったと語っている。
同僚シャルル・ルクレールもスパで表彰台を獲得しており、チーム代表のフレデリック・バスールとともに「新しいセットアップの理解が進んでいる」と自信を示している。ハンガリーではその成果が問われる。

アントネッリは自信回復を目指す
ハミルトンが巻き返した一方で、彼の代役としてメルセデスに乗るキミ・アントネッリは厳しい週末となった。予選は2回ともQ1敗退、決勝も16位に終わったが、ファステストラップは記録した。
本人も「最近は自信を失っている」と認めており、特にベルギーの土曜日はそれが顕著だったという。ただし決勝では、より高ダウンフォース仕様のウイングを装着したことでフィーリングが改善され、一定の手応えを得ている。
ハンガリーでは3回のフリー走行がある通常フォーマットの週末となるため、リズムを掴んで予選でのパフォーマンス改善を目指す。

アルピーヌのコラピントは初ポイント獲得を目指す
ピエール・ガスリーのチームメイトとしてアルピーヌに加入したフランコ・コラピントは、まだポイントを獲得できていない。前任のジャック・ドゥーハンと同様、ベストリザルトは13位止まりで、20ポイントすべてを稼いでいるのはガスリーだ。
フラビオ・ブリアトーレ代表は、成績次第でドライバー交代も辞さない姿勢を見せており、コラピントにもプレッシャーがかかっている。
アルピーヌの戦闘力が限られているとはいえ、片方のドライバーしかポイントを取れていない状況は危険信号。コラピントには週末を通して安定したパフォーマンスが求められる。
彼にとってハンガリーは好相性のサーキットで、ジュニア時代には2度の表彰台を獲得している。今季初ポイントを手にできれば、夏休みを穏やかに迎えられるはずだ。

ハンガロリンクに新設備が完成
昨年のハンガリーGPを観た人は、今年のレースで大きな変化に気づくだろう。ただしレイアウト自体は従来通りで、ドライバーにとってのコース攻略は変わらない。
大きく変わったのは、メインストレート沿いの景観だ。サーキットは冬の間に旧ピットビルとグランドスタンドを取り壊し、最新の施設へと刷新した。
完成した新しいピットビルとガレージは、チームや主催者にとって作業スペースが大幅に改善されたほか、新設の大スタンドはピットストレートの迫力ある眺望を提供する。
カテゴリー: F1 / F1ハンガリーGP