角田裕毅 F1ハンガリーGPも別仕様「フェルスタッペンと比較はフェアじゃない」
角田裕毅は、前戦ベルギーGPの予選でRB21の新型フロアを得たことで自信を深めたが、今週末のハンガリーGPでもマックス・フェルスタッペンと同じ仕様のマシンは与えられていない。

レッドブルはここ数年、実質的に「1台体制」または「1人チーム」と言える状況が続いている。セカンドシートには何人ものドライバーが次々と起用され、限られた期間で結果を求められた末に降格や解雇されてきた。

4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンが稀代の才能であるのは間違いないが、同じ仕様のマシンを与えられずに比較される他のドライバーにとっては、あまりに分が悪い。

角田裕毅は、リアム・ローソンが2戦で降格された後にレーシングブルズから昇格を果たした。しかしトップ10フィニッシュは昇格後わずか3回にとどまっており、イモラ予選で新品フロアを破損させたクラッシュのように、注目を集めるミスもあった。

だが先週のベルギーGPでは、スプリントから予選の間により新しい仕様のフロアが投入され、マイアミ以来となるQ3進出を果たした。決勝ではトップ10圏外に終わったが、これはピットインのタイミングを逸したレッドブル側の判断ミスが大きく影響したとされている。ローラン・メキース新代表はこの責任を認めたが、その後明らかになったのは、投入されたフロアがマックス・フェルスタッペンと同仕様ではなかったという事実だった。そしてハンガリーGPでも、角田裕毅のRB21にはフロントウイングを含む複数のパーツで最新仕様が使われていない。

「ポイントを逃したのは、もちろん理想的とは言えません」と角田裕毅はハンガロリンクで語った。

「でも一つ救いなのは、エンジニアリングチームや僕のガレージ側で、明確な進歩が見えていて、明確なペースがあるということです」

シーズン中の交代は当面ないと見られているが、チームメイトとの比較は避けられない。そして角田裕毅とマックス・フェルスタッペンの間には依然として大きな差がある。レッドブルでは伝統的に、セカンドドライバーが純粋なペースでフェルスタッペンから0.3秒以内であれば容認されるが、それ以上開くと将来が不透明になりやすい。

角田裕毅 レッドブル F1同じレッドブルのマシンながら仕様差がある角田裕毅とマックス・フェルスタッペン

角田裕毅は、RB21のようにピーキーで一貫性に欠けるマシンについて、シミュレーター経験に基づき当初は難しさを軽視していた。しかし実際に乗ってみて、現実と向き合わざるを得なくなっている。それでも、マシンが同じであれば差を詰められるという希望は捨てていない。

「フェルスタッペンが毎回のセッションやグランプリで安定してパフォーマンスを引き出しているのを見ると、本当にすごいなと思います」と角田裕毅は語った。

「誰もが簡単にできることじゃないのに、彼はそれを簡単そうにやってのけるんです」

「でも、彼と直接比較するのはフェアじゃないと思うし、実際、比較したくもないんです。彼はあのマシンに9年乗っているけど、僕は今ようやく乗り始めたばかりです」

「それに、まったく同じマシンをもらえるかどうかもまだ分からないですから。それまでは、正確な比較はできません」

「それまでは自分自身に集中して、自分のやるべきことが分かっているので、一歩ずつ進んでいきます」

ローラン・メキースは、レーシングブルズ時代の関係性から、前任のクリスチャン・ホーナーよりも角田裕毅に対して同情的とされている。そのため、角田裕毅の願いが近いうちに叶う可能性もある。そしてマーケティング面の負担がなく、工学的バックグラウンドを持つチーム代表が支えることは、角田裕毅にとって大きな助けとなるはずだ。

だが、仮に同じ仕様のマシンを手にしたとして、マックス・フェルスタッペンに匹敵するパフォーマンスを見せられる者が果たして現れるのか──それこそが最も困難な課題かもしれない。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1ハンガリーGP