メルセデスF1、レッドブルのエンジニア引き抜きに対抗措置
メルセデスF1は、エンジン開発で主要な役割を果たしてきたベン・ホジキンソンを引き抜かれたことを不満に思っており、レッドブルF1で仕事を開始するのをできる限り遅らせようと考えているという。

先週、レッドブルF1は、独自のエンジンプログラムを運用する新会社レッドブル・パワートレインズのテクニカルディレクターに、メルセデスに20年間在籍したベン・ホジキンソンを起用することを発表した。

Corriere dello Sport は、ベン・ホジキンソンの転職は、決して円満な退社ではなく、メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフや同僚たちは不満に思っていると報じている。

「メルセデスは彼の退社にまったく満足しておらず、彼らは悪い条件で別れた。なぜなら、メルセデスは彼が競争他社に転職することに満足していない」

ベン・ホジキンソンは、メルセデスHPPの従業員を引き連れてレッドブルF1に加入するとも言われている。彼は正式に発表される前に、彼の転職について数人の同僚に話をしていたという。

「メルセデスから戦略的な男が去ることになる。そして、2022年の秋より前の非常に早い段階でホジキンソンは正式に会社に就任できる。レッドブルは2014年以来F1を支配してきたドイツのパワーについてすべてを知ることになるだろう」と Corriere dello Sport は伝えた。

「今、メルセデスには不安がある。ホジキンソンが2、3人の同僚にこの件について話をしていたことが発覚しただけでなく、彼に続くように説得しようとしていることが判明したからだ。確かに、他の貴重な技術者がレッドから連絡を受け、転職のためにより多くの給料のオファーを受けるのではないかという懸念がある」

同紙によると、メルセデスF1は、ベン・ホジキンソンがレッドブルF1で仕事を開始するためのプロセスをできる限り遅らせようとしていると伝えている。

F1でのいわゆる“ガーデニング休暇”は、平均的には約6ヶ月の長さだ。これは、スタッフが競合他社に転職する過渡期のようなものであり、その間、引き続き給与の支払いを受けるが、機密情報に近づくことはできなくなる。

メルセデスF1は、その期間を可能な限り延長しようとしており、法律で定められている最大の18か月はベン・ホジキンソンを飼い殺しにしようとしていると報じられている。

「ホジキンソンはレッドブルでスタートするまでに1年半待たなければならないだろう」と Corriere dello Sport は報じている。

一方、レッドブルF1は、F1エンジンが凍結される2022年からホンダのF1パワーユニット技術を引き継いでレッドブル・テクノロジーズで運用していくが、2025年からは独自のF1エンジンの開発を計画している。

「レッドブルは、メルセデスから彼を引き抜き、エンジン部門のボスに任命することで、将来の計画がどのようなものかを示している。レッドブルはすべてを自分たちで行っていく。すぐには何もしない。今、彼らがすべてを自分たちの手に委ねており、外部の関係者やエンジンサプライヤーともっと共有する必要がある」

同じ敷地内でシャシーとエンジンを製造することで、レッドブルは、フェラーリと同じ足跡をたどることになる。

「レッドブルはオーストリアのフェラーリになる。現在、スクーデリアは同じ場所でエンジンとマシンの両方を製造する唯一のチームだ。メルセデスはブラックリーでシャシーを製造していますが、エンジンはブリックスワースだ。ルノーのF1マシンはイギリスで製造されているが、エンジンは50キロ離れたフランスで製造されている」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / レッドブル・レーシング