リアム・ローソン F1マーシャル接触未遂に「ドライバー側の対応に非」の見解

同連盟は火曜に声明を発表し、1周目に発生したカルロス・サインツ(ウィリアムズ)との接触によるデブリを回収するためにマーシャルが出動した場面を分析。ローソンの車載映像を含む多数のスクリーンショットを提示し、「ダブルイエロー旗が提示されていたにもかかわらず、十分に減速しなかった」と主張した。
声明では次のように記されている。
「オンボードカメラの映像を解析したところ、リアム・ローソンはターン1に進入する際、レーシングラインを維持しながらステアリング角を変えることなく走行しており、その時点でマーシャルが作業エリア内を横断していたことが確認された。このことから、ドライバーは明らかに作業中のマーシャルの存在を認識していながらも、ラインを変更せずに通過していることがわかる」
OMDAIは、マーシャルが依然として危険区域内で清掃作業を行っていたと強調し、「これは明白な安全上のリスクであり、適切な減速措置が取られなかった」と指摘した。
この件について、レース中にスチュワードによる調査は行われなかったが、FIAが独自に調査を進めているという。
ローソン「信じられなかった。あれは危険すぎる」
レース後に報道陣の取材に応じたリアム・ローソンは、この出来事について「恐怖を感じた」と率直に語った。
「正直、目の前で起きていることが信じられなかった。ターン1に入った瞬間、2人のマーシャルがコースを横切っていて、僕はほとんどぶつかりそうになった。あれは本当に危険だった」
「どこかでコミュニケーションの行き違いがあったのは明らかだけど、僕がこれまで経験したことのない出来事だ。過去の映像でしか見たことがないようなシーンだった。正直、あんなことは受け入れられない」
「走行中のコースでマーシャルがコース上を横断するなんてありえない。理由はわからないけど、必ず説明があると思う」とローソンは語った。

分析:安全文化と“責任の所在”を問う一件
今回の件は、F1が長年積み重ねてきた安全基準の信頼性に疑問を投げかける事態となった。
マーシャルが現場で危険を冒すことは稀であり、通常はコースコントロールとレースディレクションの厳密な連携によって安全が確保されている。
FIAの調査結果次第では、レースコントロールと現地運営の指揮系統、またドライバーの義務(ダブルイエロー下での減速判断)を含めた“安全運用の根幹”が再検討される可能性もある。
ローソン自身は誠実な受け止めを示しているが、OMDAIが指摘するように、ドライバー側の判断にも議論の余地が残る。
この事件は、ヒューマンエラーと安全文化の間にある“曖昧な責任の境界線”を改めて浮き彫りにしたといえる。
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