角田裕毅 レッドブルF1残留か放出か:メキース代表は「悩んでいる」と英記者
レッドブル・レーシングで苦戦が続く角田裕毅の2025年シーズンは、終盤に差し掛かった今もなお厳しい立場が続いている。全21戦を終えた時点でチームメイトのマックス・フェルスタッペンに対して313ポイント差という、同一チーム内としては前例のない大差が広がった。

2026年のドライバーラインアップを巡っては、アイザック・ハジャー、アービッド・リンドブラッドという2人の若手が控える中、角田裕毅のシートは“最も危険な状態”だと見られている。

しかし、レッドブル・レーシングのローラン・メキース代表は、この決断を「本当に苦しんでいる」と語られており、状況は単純ではない。

角田裕毅とフェルスタッペンの差は歴史的規模に
角田裕毅はシーズン途中にレーシングブルズからレッドブルへ昇格したが、その後の成績は数字の面で極めて厳しい。

フェルスタッペンが18回の決勝ポイント獲得、12回の表彰台、7回のポールポジションを記録する一方で、角田裕毅は決勝ポイント獲得が6回、ベストリザルトは6位に留まっている。

この結果、両者のポイント差は313点と歴史的な開きとなり、現在のF1グリッドで来季シート喪失の可能性が最も高いドライバーとして名前が挙がる状況だ。

メキースは角田裕毅を高く評価 それでも決断が難しい理由
英記者ネイト・ソーンダースはポッドキャスト「Nailing the Apex」で、ローラン・メキースが置かれている苦しい決断について語っている。

メキース代表は角田裕毅を個人的にも高く評価しており、ジュニアチーム時代の実績や成長をよく理解している。その一方で、若手育成の流れが加速するレッドブル体制の中で、ハジャーやリンドブラッドといった将来性の高いドライバーを適切なタイミングで昇格させることも求められている。

メキースは今季レース現場で角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーの3人を間近で見ており、いずれの能力も理解しているだけに判断が難しくなっているという。

ハジャー昇格は“若手連続起用”の déjà vu?
ソーンダースは、ハジャーを昇格させる場合の“リスク”にも触れている。

レッドブルは数年前から若手を急激に序列へ押し上げる傾向があり、それが十分な準備期間を与えられないままの昇格につながるケースもあった。ローソンを上げてすぐ角田裕毅に戻したように、一貫性を欠いた起用はドライバーを「すり潰す危険」もはらむ。

ハジャーの昇格が早すぎれば、同じ道を辿ってしまう懸念があり、さらにその後にはリンドブラッドという次世代の有望株が控える。若手の連続昇格は体制を不安定化させる可能性があり、メキースが慎重になる理由はそこにもある。

角田裕毅 レッドブル・レーシング

2026年、レーシングブルズの判断が全ての鍵に
2026年はF1レギュレーションが大きく変わる節目の年であり、ドライバー選択は“チームの将来を左右する”決断となる。

レーシングブルズは3人の契約ドライバー(角田裕毅・ハジャー・ローソン)に加え、リンドブラッドという育成の中核を抱えており、他チームからの引き抜きの心配がないため急ぐ必要はない。

ソーンダースも「だからこそ、彼らは今決断する必要がない」と語り、慎重さを維持している点を評価している。

しかし結果として、角田裕毅の残留か解雇かという最も重い決断だけが先送りされたまま残り続け、メキースはその選択に「本当に悩んでいる」とされる。

レーシングブルズは2026年にどの2人を選ぶのか。角田裕毅の将来が大きく揺れる中、チームの判断はシーズン終盤の最大焦点になる。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング