バルテリ・ボッタス メルセデスとの契約でキャデラックF1マシン走行は1月
キャデラックF1が2026年参戦に向けてイモラで極秘テストを実施したが、このプログラムにはバルテリ・ボッタスが参加できなかった。理由はシンプルで、ボッタスは2025年末までメルセデスのリザーブドライバー契約が残っており、契約上テストに加わることが許可されなかったためだ。

キャデラックF1はフェラーリの協力を受け、黒くデバッジされた2023年型フェラーリSF-23を用いて2日間の実戦トレーニングを実施した。

しかし、キャデラックF1の新ドライバーであるボッタスには参加の許可が下りなかった。

ボッタスの参加は契約上NG メルセデスのリザーブ義務が優先
背景には、ボッタスが2025年末までメルセデスのリザーブ契約に拘束されているという事情がある。この契約が残っている限り、他チームの活動に関与できる範囲は極めて限定的であり、今回のような実地トレーニングへの同行も実施できなかった。

テストに参加しなかったボッタスは現在オーストラリア南部に滞在し、パートナーのティファニー・クロムウェルと15エーカーのブドウ畑を購入したことを明かしている。現地メディア Nine の取材では、タイトル争いで苦戦するオスカー・ピアストリについて次のように語った。

「まだチャンスは残っている。1レースで状況は簡単に変わる」と語った。

「キャリアはまだ序盤だし、今年どうなっても彼には素晴らしい未来がある」

また、キャデラックF1の準備状況については「完全に新しいプロジェクトで、やることは多い。1月から本格的に仕事が始まるし、1月にはクルマがあるはずだ」と説明した。

今回の不参加は、ボッタスが2026年デビューに向けて動き出すキャデラックF1の準備段階においても、現行契約が依然として大きな影響力を持っている現実を示したものとなった。

キャデラック F1

ペレスがテスト担当 フェラーリとキャデラックが共同作業
イモラでのテストでは、セルジオ・ペレスがプログラムを担当した。キャデラックF1のチーム代表グレアム・ロードンは f1-insider.com に対し、「我々がテストしているのはクルマではなく“人間”だ」と語り、ピットクルー育成を主目的とした取り組みであると説明した。

フェラーリはSF-23のシャシーに加えて設備やスタッフも提供。アーサー・ルクレールがフィオラノでシェイクダウンを行った後、マシンはイモラへ移送され、フェラーリ約30名とキャデラック約20名が並ぶガレージで共同作業を行った。

キャデラックF1は年内ファイアアップ&1月初走行を宣言
キャデラックF1は、2026年参戦に向けたマシン開発が順調に進んでいるとして、年内に初ファイアアップを行い、来年1月に初走行(最大200kmのプロモ走行)を実施する計画を明らかにした。チーム代表グレアム・ロードンは、セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスが駆るフェラーリ製PU搭載マシンについて「50日以内に初めてエンジンに火を入れる」「初走行は1月に行う」と説明した。

ロードンは一方で、2026年3月開幕まで残された時間の少なさが最大の課題であるとも強調。2025年3月に正式承認を受けたばかりで、設計・製造・人材確保・施設整備など、あらゆる工程が極めてタイトな日程で進んでいると語った。

さらに、2026年の大規模レギュレーション変更については「基準が見えないのは不利だが、既存チームも同じ条件になるためチャンスでもある」と分析。結成から1年未満の新チームながら「合計では“数千年分”のF1経験が集まっている」と述べ、チームとしての結束と改善スピードが鍵になるとした。

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カテゴリー: F1 / バルテリ・ボッタス