ジャック・ドゥーハン F1復帰の望み薄でスーパーフォーミュラ転向の可能性

オーストラリア出身の22歳ドライバーは今季、開幕6戦後にコラピントへ正ドライバーの座を譲り、リザーブドライバーに降格。その後、F1での代替リザーブ職を模索してきたが、アルピーヌがコラピントを2026年も起用する方向を固めていることから、日本での新たなキャリアに踏み出す公算が大きい。
トヨタ陣営のKondo Racingが有力な移籍先として浮上しており、父であり5度のロードレース世界王者ミック・ドゥーハンがすでにハースF1チーム代表の小松礼雄と会談したことも判明。ハースとトヨタの技術的な関係性を考慮すれば、F1リザーブ兼スーパーフォーミュラ参戦という形も十分にあり得る。
加地雅哉(トヨタ・グローバルモータースポーツディレクター)はこの噂について「今は具体的に言えることはないが、彼は良いドライバーだ」と語り、関心を否定しなかった。
一方で、父ミックは先週のスーパーGT最終戦(もてぎ)に姿を見せており、来季日本で活動する可能性をさらに高めている。
トヨタ陣営の2026年体制に大変動の兆し
トヨタのスーパーフォーミュラ体制は2026年にかけて大幅な再編が進みそうだ。先月、トヨタは2度のWRC王者カッレ・ロバンペラの参戦を正式発表しており、彼はKCMGから鈴鹿での新人テストに臨む見込み。代わって福住仁嶺が引退する大嶋和也の後任としてRookie Racingへ移籍する見通しだ。
ドゥーハンが加入する場合、Kondo Racingのザック・オサリバンの去就にも影響が及ぶ。オサリバンは今季2度の入賞を果たしており、8月の菅生では雨の中で7位を記録したが、総合15位にとどまっている。
チーム・インパルではオリバー・ラスムッセンと高星明誠の2人が苦戦しており、来季は外国人新人の起用を視野に入れているという。ラスムッセンは怪我から復帰後も最高13位止まり、高星も未だ無得点だ。
さらに、スーパーフォーミュラ・ライツ出身の小林利徠斗がトヨタ系チームの一員として昇格する可能性もある。彼は今季もてぎでラスムッセンの代役としてインパルから出走しており、2026年はTGMグランプリへの起用が有力視されている。TGMは今季不振のため、小林とともにより経験豊富なドライバーを1名起用したい意向を示しているという。
F1から日本へ、ドゥーハンの第二章
アルピーヌのF1シートが事実上閉ざされた今、ドゥーハンにとってスーパーフォーミュラは再出発の舞台となる。トヨタとの提携を通じてハースや他チームとの接点を保ちながら、欧州復帰への足がかりを築く構想だ。
スーパーフォーミュラは2026年から空力仕様の改良とタイヤフォーマットの更新を予定しており、F1に近いドライビングフィールを得られるカテゴリーとされる。ドゥーハンにとって日本での挑戦は、キャリアをつなぐ「実戦の架け橋」となるかもしれない。
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