ホンダ:インディカー 第12戦 決勝レポート…佐藤琢磨は18位
インディカー・シリーズはインディアナポリスに舞台を戻し、シーズン12・13戦目となるハーベストグランプリのダブルヘッダーを迎えた。

アメリカ東部のインディアナ州インディアナポリスは、今週に入ってから急激に気温が下がり、レース1は最高気温が摂氏16℃というコンディションでの開催となった。それでも今回のダブルヘッダーは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイが今年初めてグランドスタンドにファンを迎えてのイベントとなることもあり、大きな注目を集めた。

木曜日に行われた予選で8位につけたアレクサンダー・ロッシと、彼のチームAndretti Autosportは、翌金曜日も気温の低くなったコンディションにシャシーセットアップを見事に合わせ込み、走行禁止エリアを使ったことに対するペナルティーを乗り越え、ホイール・トゥ・ホイールのバトルも戦いぬき、2番手フィニッシュという好結果を手にした。第11戦Hondaインディ200アット・ミッドオハイオのレース2から2戦連続の2位フィニッシュと、彼らはシーズン終盤を迎えてチーム力アップを実現している。

85周のレースのスタートでは、グリッド2列目イン側からコルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)が切れ味鋭いダッシュをみせてトップに躍り出た。彼は29周をリード。しかし終盤戦に入ってからはハンドリングに問題が生じ、4位でのフィニッシュとなった。

全員が最後のピットストップを終えたあとには、いくつものポジションが激しく争われ、集まったファンをエキサイトさせた。ロッシ、フェリックス・ローゼンクヴィスト(Chip Ganassi Racing)、ハータらによる2位争いや、グラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)、ランキングトップのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)、ジャック・ハーヴィー(Meyer Shank Racing)、マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)らによる6位争いなど、複数のマシンによる熱いバトルが繰り広げられた。

今回ポイントリーダーのディクソンはタイヤの消耗に苦しんだ。それでも彼は予選12番手から9位でフィニッシュし、今日優勝したジョセフ・ニューガーデンに対して、2レースを残して40ポイントのリードを保っている。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、予選でコースオフして赤旗の原因を作ったことから、レース1にはほぼ最後尾の24番グリッドからスタートすることになった。佐藤とチームは燃費をセーブしてピットストップを1回少なくする作戦を採用したが、期待していたフルコースコーションが一度も出ないレースとなったため、途中でセオリー通りの3ストップ作戦に変更することを余儀なくされた。レース序盤にペースを落として走っていた佐藤は、そこでのロスをカバーして戦わねばならない状況となったが、粘り強い走りで徐々にポジションを上げていき、スタートより6ポジション上の18位でのゴールを果たした。

今日のレースでロッシが2位フィニッシュしたことにより、Hondaは2020年シーズンも残り2戦となった時点で、マニュファクチャラーズ選手権でシボレーを67ポイント、リードをしている。

明日のレース2は今日より10周少ない75周で争われる。午前中に予選を行い、決勝はアメリカ東部時間の午後2時30分にスタートする予定。

アレクサンダー・ロッシ(2位)
「今日のマシンは最高でした。カーナンバー27のクルーに脱帽です。私たちはこのコースで好走することができずにいましたから、2位での表彰台はファンタスティックな結果だといえます。Hondaパワーで走っていることを誇りに思います。チームもマシンをハイペースで走れるものに仕上げてくれました。Hondaとチームの全員によるハードワークで私は今日、表彰台に上ることができ、とても感謝しています」

スコット・ディクソン(9位)
「今日の私たちはブラックタイヤでの走りが苦しくなっていました。スタートでグラハム・レイホールに押し出され、ポジションを下げました。それがあとまで響きました。その後もブラックタイヤでの走りが望むようにできませんでした。ブラックタイヤでのスティントでは、トップに15~20秒の差をつけられていたと思います。こういう日もあるのがレースの世界です。あれだけ走りがよくなかったのは不思議です。その原因を明日のレース2の前までに見つけます」

佐藤琢磨(18位)
「厳しい一日となりました。後方からのスタートだったので、2ストップ作戦でいくことにしました。計算上では燃料が7~8周分足らなかったので、フルコースコーションを利用したいと考えました。しかし、イエローが出ずにレース途中で3ストップ作戦に切り替えたため、その時点まででの大幅なタイムロスが大きな負担となってしまいました。私たちはマシンのセッティングもアグレッシブに、ダウンフォースを少なくしたものにしていました。順位を上げていく戦いをするためでした。予選でレッドタイヤを1セット失っていたことも私たちにとっては痛手でした。全体的にタフなレースになっていましたが、明日の予選と決勝に向けたいいデータを集めることができたのは間違いありません。明日は予選でトップ10に入る必要があります。今日1レースを戦ったことで、みんながマシンのレベルを上げてきます。今日のデータを活用することでフィールド全体の実力がさらに拮抗するでしょうが、私たちは今日以上に高い競争力を発揮できると思います」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / インディカー / 佐藤琢磨