ハースF1のベアマン、スウェーデン休暇中にカート記録へ本気の挑戦

イギリスGPとベルギーGPの3週間のインターバル中、ベアマンはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場した後、リフレッシュを兼ねてスウェーデンで休暇を過ごしていた。しかし、滞在先の近くに偶然見つけたカート場が、彼とそのガールフレンドの休暇予定を一変させることになる。
「スウェーデンにバカンスで来ていて、滞在先のすぐ近くにカート場があったんだ。まったくの偶然だったよ」とベアマンは語る。
「彼女の家族から『このラップレコードを破ってみて』って言われて、正直最初は“楽勝でしょ”って思った。でも初日は0.3〜0.4秒遅れだったんだ」
「そのコースはすごく面白くて、1周29秒の短いレイアウトだったから、ミスできない。すごく正確に走らないといけなくて、全部のテクニックを駆使したよ。相手も速かったんだ」
ベアマンはこの“休暇中のサイドクエスト”を完全に本気で取り組み始めた。数時間の格闘の末、燃料を抜いたり、エンジンを冷却するためにブロワーを使ったり、ガールフレンドと二人三脚でマシンを整備する姿まで見せた。
「本気の、本気の戦いだった。最終日は新品タイヤを履いて、ランごとに空気圧を調整して、完全に“本番仕様”で挑んだんだ」
「2時間くらいずっと走ってた。壁をちょっと動かしたりしながら(笑)、完璧な1周をまとめようとして、結局0.05秒差でレコードを更新できた。ずっと0.03〜0.04秒届かないラップが15回くらい続いてて、そこまで来たら、もうやめられないんだよ」
「燃料を抜いて軽量化してるところを撮った写真もあるよ。エンジンはブロワーで冷却して、タイヤは彼女が整備してくれた。企業用カートだったけど、その日は暑くて、エンジンのパフォーマンスがすごく落ちてた。だからボディワークも一部外して冷やしたんだ。完全にハイテク作戦だった」
「誰かがストレートで僕にスリップストリームを与えて、最後の瞬間に避けてくれたりね。服装もできるだけ軽くするために、普通の格好だったけど短パンと薄いTシャツで走った。ストレートでも頭を下げて空力を意識したし、本気でやってたよ」

この挑戦は単なる遊びではなく、ベアマンにとってはF1の激務から離れ、自分の原点であるモータースポーツへの情熱を再確認する時間にもなった。
「昔からカートが大好きだったから、スウェーデンは本当に素晴らしかったし、美しい国だった。最高の休暇の過ごし方だったよ」と語る。
「毎日カートに乗る予定ではなかったけど、悪くないよね? モータースポーツへの愛を思い出させてくれるし、F1でのハードな戦いの間に気分をリセットできた。シルバーストンでは難しい週末を過ごしたから、それを振り返る時間にもなった。でも今はレースウィークが始まって、スパが待ちきれないよ」
とはいえ、ベアマンには最後に1つだけ疑問が残っていた――なぜこの“地元のカートキング”は、そんな驚異的なラップタイムを記録できたのか?
「分からないよ。彼、F1に行くべきじゃない?(笑)もしくは体重が20キロとか、それくらい軽いんじゃないかと思ってる」
「とにかく暑すぎたのが問題だったと思う。もし記録を破れなかったら、翌朝の6時とか7時、もっと涼しい時間に出直すつもりだった」
「聞いた話だと、その人は4月か5月、氷点下20度とかのときに記録を出したらしい。だからそれが理由だと思ってる。まあ、それを言い訳にしてるんだけどね!」
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