インディカー 新型シャシー導入を2028年に正式に延期
NTTインディカー・シリーズは、新型エンジンおよびシャシーの導入計画に関する最新情報を公開し、かねてより噂されていた導入時期の延期を正式に認めた。

インディカーとダラーラが共同開発を進めている次世代シャシーは、当初2027年の投入が見込まれていたが、導入は2028年に延期されることが決定された。2024年シーズン開幕当初から「2027年または2028年」とされていたが、今回それが公式に2028年と定められた形だ。

シリーズ側は新型プラットフォームについて「次世代ファンに訴求する外観を持ちつつも、インディカーらしさを残したデザインになる」と説明している。

新シャシーの実走テストは2026年から開始される予定であり、シリーズは実戦投入前に問題点を洗い出し、十分な調整期間を確保する構えだ。

現在の「DW12」シャシーは2012年から使用されており、パドック内ではアップデートを求める声が高まっていた。

インディカー・シリーズのダグ・ボールズ社長はこうコメントしている。

「新しいシャシーを導入する時期が来た。DW12は素晴らしい接近戦を可能にし、安全性の向上にも貢献してくれた」

「だがエアロスクリーンやハイブリッドユニットといった大規模アップデートにより、完全に新しいマシンが必要になってきた。エンジニア陣とダラーラの協力のもと開発を進めており、ファンとチームの双方にとって魅力ある設計になると確信している」

“軽さ”と“一体感”を追求した次世代マシン
新シャシーでは、DW12時代に培われたノウハウを活かしつつ、複数の要素を改善。エアロスクリーンは継続されるものの、今回は初期設計段階から完全統合される予定だ。

また、多くのドライバーが不満を示していた「過剰な重量」についても対策が施される。新シャシーは全体重量で約85~100ポンド(約38~45kg)の軽量化を目指しており、ギヤボックスも25ポンド(約11kg)軽量になる見込み。

これまでエアロスクリーンやハイブリッドシステムなど、安全性向上のための追加装備によってマシンが重くなってきたが、次世代車では軽快な操縦性の復活が期待されている。

ハイブリッドシステム自体は継続採用される。低電圧ハイブリッド技術をベースに、パフォーマンスとエネルギー回生・展開時間の向上が図られる。

2.4リッターエンジンも同時投入へ
次世代マシンと同時に、新たな2.4リッターエンジンの導入も計画されている。これは数年前に一度開発が進められたが、最終的に見送られていた経緯がある。これまでの2.2リッター仕様からの置き換えとなる見込みだ。

また、パートナーシップ面では**PFC(ブレーキシステム)やXtrac(トランスミッション)**など、現行パートナーとの協力関係が新世代でも継続される。

一部のチーム関係者やドライバーには既に初期レンダリング画像が共有されているが、計画が暫定段階であるため、彼らの多くは公式なコメントを控えている状況だ。

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カテゴリー: F1 / インディカー