ホンダ WTCC 道上龍
7月11日(月)〜12日(金)、スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで、WTC(世界ツーリングカー選手権)に参戦中の「カストロール・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」がテスト走行を行った。

テストは、シーズン後半から来年に向けたデータ収集とセッティングが主な内容だったが、Honda Racing Team JASからの日本ラウンドへのスポット参戦が発表された道上龍も、このテストに参加。初めてWTCCマシンをドライブした。

道上龍がドライブしたのは、今シーズンの第6戦ロシア大会まで、ノルベルト・ミケリス選手がレースに使用していた車両。急遽決まった道上龍のテスト参加に、チームは予定になかったテスト車両を時間のない中で準備し、道上龍の初走行をサポートした。

道上龍は3年ぶりというレーシングマシンでの本格的な走行の上、初めてのコース、初めてのマシンに当初不安を口にしていましたが、走り出すと次第に感触を取り戻し、ワークスのレギュラードライバーに大きく遅れることのないタイムをマーク。2日間のテストで、十分とは言えないまでも、初めてのWTCCマシンの感触を確かめることができた。

道上龍が参戦するWTCC日本ラウンドは、栃木県ツインリンクもてぎを舞台に、9月3日(土)に予選、4日(日)に決勝レースが行われる。

WTCC参戦が決まった今のお気持ちは?
「お話をいただいたのは2週間前(6月末)のことで、ありがたいですが、正直不安がありました。3年前に現役のドライバーを降りてた僕が、しかも初めて乗るWTCCマシンでレースができるのか、自分のレーシングスキルがどこにあるのか、といった部分にですね。僕としては、正式に引退したわけではありませんでしたが、ブランクは大きいと思いました。皆さんに迷惑をかけるんじゃないかとも思いましたし。でも、WTCCというカテゴリーには前から興味があったし、乗ってみたいと思っていたので、参戦を決めました」

その状況でのテスト参加、初めてのWTCCマシンはいかがでしたか?
「これまで、JTCC(全日本ツーリングカー選手権)やスーパー耐久、シビックのワンメイクレースなどに出させていただき、FFはいろいろと経験してきましたけど、WTCCのマシンはどれとも異なる印象です。パワーやグリップレベルは、これまで乗っていたマシンに比べて高くはないですが、マシン自体はすごくしっかりしていて、乗っていて楽しいイメージです。僕自身、まだちゃんと乗りこなせていない、走らせ方を理解できていない部分はありますが、レギュラードライバーの方のデータなども参考にして、足りない部分を補っていくつもりです」

WTCCのレースについての印象は?
「テストは単独で走るだけですが、テレビで見るレースはすごいバトルで、もう格闘技ですね。国内のレースとは接触などのジャッジが全く異なるので、その辺りの見極めが難しいと思います。どこまでがOKで、どこからが駄目なのか、ですね。守りに入っては駄目で、とにかく攻める姿勢で戦わないと。また、3年間のブランクでレース慣れの部分での不安もあります」

もてぎでのレースに向けては?
「もてぎは走り慣れたサーキットですから、初めて走ったここ(バルセロナ)とは違って、十分にイメージできます。ただ、もてぎはストップ&ゴーのコースなので、ブレーキングが厳しいのとFFの走らせ方が難しい。FF特有のリアの軽さというか、コーナリング時にリアが持ち上がったときの接地感というか、いかにリアを安定させて、かつうまく曲げていくかがポイントだと思います。今回のテストは、久しぶりのレーシングマシンでの走行でしたし、シートがちゃんと合っていなかったりして、万全とはいきませんでした。でも、もてぎに向けて準備をしっかりして、Hondaやファンの皆さんの期待に応えられるようがんばります。僕自身、引退したわけではないですが、今回の参戦が僕の中での一つの区切りというか、ターニングポイントになるように感じているので、いい結果を残せるように全力で戦います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1