F1ハンガリーGP予選 プレイバック:シャルル・ルクレールが今季初ポール

Q1:角田裕毅、好発進から一転、最終アタックで敗退
気温29.5℃、路面温度48.5℃と高温の中で始まったQ1。セッション序盤は様子見ムードが漂うが、最初にコースインしたのはウィリアムズ勢。アレックス・アルボンは「グリップが全然ない!」と無線で苦しさを訴え、1分17秒台にとどまる。
続いてレッドブル勢が動き、角田裕毅はソフトタイヤでの1回目のアタックでフェルスタッペンに続く2番手タイムを記録。「グッドラップ、いい滑り出しだ」とピットも好反応。だがこの時点で路面進化はすでに始まっていた。
マクラーレン勢がタイムを刻み始めると、ピアストリは1分15秒554という圧巻のラップを叩き出しトップに立つ。続いてノリスが2番手、フェルスタッペンはやや遅れて9番手に。
残り3分、トラックエボリューションが加速。ガブリエル・ボルトレトが5番手、サインツが7番手、ローソンが14番手と次々にジャンプアップ。セーフティゾーンは一気に押し上げられる。
残り1分、ルクレールが5番手、ローソンが14番手に食い込み、角田は16番手に脱落。ファイナルアタック中の無線では「後ろのギャップが小さい、クリアじゃない」と苛立ちを見せたが、改善には至らず。そのままタイム更新できずにQ1敗退となった。
Q1敗退者:
16位:角田裕毅/17位:ガスリー/18位:オコン/19位:ヒュルケンベルグ/20位:アルボン

Q2:ハミルトンとサインツ脱落、ローソンとボルトレトが台頭
Q2開始時、気温はやや低下し、雲が空を覆い始める。ターン6付近では霧雨が確認され、観客もレインジャケットを着始める。「降り出すのか?」と不安の声が上がるなか、メルセデスは早期にジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリを送り出す。
ラッセルはアントネッリを0.3秒上回る好タイムを出し、ピットからは「ナイスバンカー」と無線が入る。アロンソは新品ソフトで1分16秒025を記録し、「これはいいラップだ」と笑顔で報告。チームメイトのストロールも続くが、セッション途中でタイムが抹消される。
一方、フェラーリのサインツは最後の1回に集中する戦略を選択。しかし、残り3分を切ってもピット出口に並ぶことができず、最後尾からのコースインに。「クリアラップが取れない!これじゃアタックにならない」と無線で苛立ちをあらわにする。
ラストアタックに向けて一斉に飛び出す各車。ルクレールは5番手へとジャンプアップするが、ハミルトンは「セクター1がうまく決まらなかった」と無線で語る中、それでも一時7番手に浮上。
だが後続のローソンが6番手タイムを叩き出したことで、ハミルトンは次々と順位を落とし、最終的に13番手でQ2敗退となった。
さらにボルトレトが10番手に飛び込み、アントネッリを押し出す形に。サインツとフランコ・コラピントは最終アタックに懸けるも、どちらもタイムを伸ばせず敗退が確定。
Q2敗退者:
11位:アントネッリ/12位:ベアマン/13位:ハミルトン/14位:サインツ/15位:コラピント

Q3:ルクレールが「一撃」決める!今季初&通算27回目のポール
Q3開始時、気温は29℃台で安定していたが、風が徐々に強まり、路面温度も36.4℃にまで低下。各チームの戦略が分かれ、マクラーレンは新品ソフト、フェラーリやレッドブル勢は1回目に中古タイヤで様子を見る形となる。
先にタイムを記録したのはノリス。1分15秒494と好タイムを出すが、ピアストリがその直後に1分15秒3台で上回り暫定ポールへ。ラッセルが3番手、アロンソが4番手で続く。
ストロールは1回目のタイムがトラックリミット違反で抹消されるが、「まだチャンスはある」とピットから無線が入る。
残り3分、すべてのドライバーが新品ソフトでファイナルアタックへ。トラックはこの日最も速い状態に近づいていた。
ルクレールは最終グループでコースイン。セクター1は全体2番手、セクター2でパープルを刻むと、最終セクターでも完璧なラインをトレースしチェッカーを受ける。「これは最高のラップだった、全て出し切った」と無線で歓喜。
その後にアタックしたピアストリとノリスもタイムを更新したが、ルクレールの1分15秒台には届かず。フェラーリは苦戦していたハンガロリンクで今季初ポールを獲得。ルクレールにとっては通算27回目のポールとなった。
Q3結果(TOP10):
1位:ルクレール
2位:ピアストリ
3位:ノリス
4位:アロンソ
5位:ラッセル
6位:ローソン
7位:ボルトレト
8位:ハジャー
9位:フェルスタッペン
10位:ストロール(1回目のタイム抹消)

総括:流れを変えたルクレールの一撃、変化する天候を制す
マクラーレンのワンツー独占が濃厚と見られていた予選だったが、ルクレールの一撃がすべてを覆した。気温と路面の変化、降雨の不安、トラフィック、そしてタイヤ戦略──あらゆる要素が入り混じったこのセッションを制したのは、最終局面で完璧なタイミングと集中力を発揮したルクレールだった。
フェラーリにとっても、後半戦に向けた大きな弾みとなる1日となった。
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