ホンダ RA108
Honda RA108
2008年、Honda Racing F1 Teamは新型マシンRA108とこれまで以上に強い成功への決意と共にHondaのフルワークス体制3年目のシーズンに臨む。
RA108は、空力レイアウトと機械的構造に関して前モデルとはコンセプトの異なるF1マシン。設計の方向性は、空力パッケージングおよび開発の自由度を高める、特にシーズン中のパフォーマンス強化を容易にするというもの。
重視されたのは高いレベルの空力効率と安定性の実現で、このことは空力パーツとサスペンションの改良に合わせたシャシーの見直しに反映されている。このアプローチはさらなる開発の可能性を広げるためのものである。
RAの命名は、HondaがGPレースで栄光の幕開けを果たした、1960年代初めにまで遡る。1963年にテストが開始された、Honda初のF1試作車にはRA270という車体名が付けられ、RA270E 1.5リッター60度V12エンジンが試験的に搭載された。1964年8月、名高いニュルブルクリング・サーキットにおいて、初期の試作車をベースとしたRA271号車がHondaのGPデビューを飾った。Hondaは、翌シーズンの最終戦メキシコGPで、RA272号車でレース初優勝を見事達成した。
新しいV8エンジンRA808Eも、1983年から1992年までのF1第二期に使用されたRAの名称を継承している。
新たな2008年型のカラーリングを施したRA108の発表と共に、チームが長期的視点で進める環境イニシアチブ、earthdreamsもいよいよ次の段階へと突入する。40年以上にわたって戦ってきたF1の世界で頂点を目指す一方で、より良い社会を実現する責任の一端を担う。それがHonda Racing F1 Teamの理念である。
<ホンダ RA108 主要諸元表>
主要素材 | カーボンファイバー/ハニカムコンポジット |
サスペンション | ウイッシュボーン、プッシュロッドトーションスプリング、ロッカーアーム |
ダンパー | ショーワ |
ホイール | BBS鋳造マグネシウムホイール |
ブレーキ | アルコン製キャリパー |
ブレーキディスク/バッド | カーボン/カーボン |
ステアリング | Honda F1 ラック&ピニオン型ステアリング・ギア機構 |
ステアリングホイール | Honda F1 カーボンファイバー製 |
電子機器 | FIA標準ECUとFIAホモロゲーション電気&電子システム |
<ディメンション> | |
全長 | 4,700mm |
全高 | 950mm |
全幅 | 1,800mm |
<トランスミション> | |
ギアボックス | カーボンコンポジットメインケース:Honda F1 7速ギア |
ギア選択 | シーケンシャル/セミオートマチック/油圧作動 |
クラッチ | カーボンプレート |
<エンジン> | |
名称 | Honda RA808E |
排気量 | 2.4リットル |
エンジン形式 | V型8気筒 自然吸気 |
最高出力 | 700馬力以上 |
エンジン回転数 | 19,000 rpm |
バルブ駆動方式 | 4バルブ/1気筒 エアバルブ |
インジェクション | Honda PGM-FI |
スロットル制御方式 | 電子油圧制御 |
スパークプラグ | NGK社製 |
エンジンオイル | ENEOS社製 |
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1マシン