ホンダF1
ホンダF1は、2019年のF1世界選手権の最終戦となるアブダビGPにレッドブルとトロロッソとともに挑む。

今週末、シーズン21戦目、最終戦のアブダビGPを迎える。90度コーナーとロングストレートで構成されたヤス・マリーナ・サーキットでのトワイライトレースは、中東特有の高温とダスティな路面が特徴。昨年はトロロッソのピエール・ガスリーが、17番手からトップ10まで浮上するも、残り9周でリタイアと、悔しい展開になった。今期はシーズンをいい形で締めくくるためにも力強いレースを期して臨む。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今週はいよいよ2019年シーズン最終戦、アブダビGPが始まります。2月のウィンターテスト初日から285日、まだまだやり残したと思うことも沢山あり、正直あっと言う間の一年でした。今年は2015年のF1復帰以降、我々としては初めて2チームへPU供給を行いました。昨年からパートナーシップをスタートしたトロロッソ、今年から供給を開始したレッドブルと共に、いい形でシーズンを通して前進を遂げられたと思います。先日のブラジルGPでの両チームとの1-2フィニッシュは、今年の進歩を象徴する一つのハイライトになりました。今回レースが行われるヤス・マリーナ・サーキットは1.2kmという長いバックストレートと、多くの90度コーナーが配されていることが特徴です。また、レースと予選は気温が下がった夕暮れ時に開催されるトワイライトレースである一方、FP1とFP3は日中の気温が高い状況で行われるため、車体、PU共にセッティングを煮詰めていくことが難しいグランプリでもあります。先日のブラジルでのよい結果から得た勢いを維持し、さらなる挑戦の気持ちを持ち、シーズンを締めくくる最終戦にチーム一丸となって向かいます。悔いを残すことなく、来年に繋がるレースをできればと思っています」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「ブラジルでの素晴らしい週末を終えて、最終戦のアブダビへ向かうチームの士気はとても高いです。インテルラゴスのような高速コーナーの続くサーキットから、タイトでツイスティーなヤス・マリーナへと変わるので、マシンから全力を引き出すためには、ブラジルと全く異なるセットアップが必要です。また、アブダビではいつも難しいことなのですが、ナイトレースになるため、予選・決勝と同じ時間帯で行われてコンディションも似ているFP2が、とても重要なセッションになります。振り返れば、今季ホンダと初めてのシーズンは、満足できるものだと思います。願わくは、今週末いい結果を残して、クリスマス、そして新年の休暇へと向かいたいですね!」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「アブダビは好きですし、ヤス・マリーナはとてもよく知っているサーキットです。ほかのみんなは見方が違うかもしれませんが、僕は気に入っています。最終セクターがなかなかよくて、テクニカルなセクションでどのコーナーも互いによく似ているので、一つうまくクリアできれば、ほとんど同様に抜けられます。今週末は、2つの理由からいつもと違った雰囲気になると思います。一つは、シーズン最終戦であること。みんなクリスマス休みで休息が取れるのを楽しみにしているはずです。そしてもう一つは、アブダビでF2やF3といったジュニアカテゴリーの王座が決まることです。僕もF1に来る前には参戦していました。この大会が終われば、テストがありますが、まずは今季を力強い結果で締めくくり、その勢いを2020年へつなげていきたいです」

ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)
「シーズン最後のレースなので、特別な週末になります。僕たちトロロッソにとっては、コンストラクターズ選手権で一つでも上の順位を手に入れるために、とても重要な戦いですし、僕自身も、ドライバーズランキングでトップ3チーム以外での最上位を目指します。僕ら自身のプライドと、選手権上位になって今季ここまでの向上、そして来シーズンに向けてパフォーマンスレベルを示すためにも、いい形でシーズンを終えたいと思います。今週末のランキングをかけた戦いはエキサイティングなものになると思いますが、フランツ(トスト代表)にとっては、‘エキサイティング’では表せないほどの感情が沸き起こるでしょうね!これが終われば3~4カ月レースをしなくなるので、最終戦はいつも少し寂しい気持ちになります。日曜の夜にはシーズンが終わったんだという実感が沸いてくると思います。このヤス・マリーナでは、GP2時代に優勝経験がありますが、F1ではあまりいい結果を残せていません。ただ、コースは好きで、特にテクニカルな最終セクターを気に入っていて、流れるようなリズムで走る感じが好きです。また、寒いヨーロッパから来るので、ここの温暖な気候もうれしいです。そして、GP2のタイトルを決めた思い出の場所でもあります。もちろん、夜にレースが行われるので、コクピット内は少し涼しいですし、同じナイトレースでもシンガポールほど過酷ではありません。レースは厳しい戦いとなりますし、コンディションは一定しないので、マシンをうまくコントロールしなければなりませんが、それもまた楽しみです。日曜の決勝では何が起きてもおかしくありません。今季の成績には満足していて、特に中盤でトロロッソに戻ってきてからの走り、そしてブラジルでの2位で初めて上ったF1の表彰台はきっと忘れないでしょう。ただ、レースをしない時間も楽しみにしているんです。クリスマスの時期には、フランスで友人や家族と過ごす予定です。今年は忙しくてなかなか彼らに会う時間が取れませんでした。それが終われば、米国で行われるレッドブルのトレーニングキャンプに参加して、ハードに鍛えて、来季の準備を進めます。冬休みを楽しむためにも、最終戦で好結果を残さなければなりません。アブダビに向けて全力で取り組みます」

ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「アブダビに来るのは好きで、2013年には優勝してGP3のタイトルを決めた思い出があります。そこからトロロッソ入りすることになりました。最高の瞬間でしたし、幸せな日々でしたね。この最終戦は、好結果を出してより上位でシーズンを終えるチャンスがあります。ヤス・マリーナのコースはいつも楽しいです。ランオフエリアが広すぎではありますが、レイアウトはとても面白くて、いくつものラインが取れますし、最終セクターはとてもチャレンジングです。照明の中でレースをするのもいいですし、夜のレースを楽しむことができます。さらに、コースはオーバーテイクポイントがいくつかあり、最終戦でいいレースを見せるために、できる限りプッシュしようと思います。前戦のブラジルは、僕自身は望んでいた結果になりませんでしたが、チームにとっては素晴らしい結果となりました。全力を尽くして戦っても、それがうまくいかないこともあります。シーズン最終戦は常にエキサイティングな展開になりますが、終わってしまう寂しさも少し感じます。最終戦が終われば少し休息となり、家に帰って普段できないような家庭のことをする生活になります。そこで数週間日常の暮らしを味わい、またレースの世界へ戻るのです。毎年同じ流れですが、何日かトレーニングをストップしたのち、トレーナーとボクシングをしたり、カートをしたりして忙しくしているのが好きです。完全に何もしない時間は作りません。一日中ソファに寝そべっているような生活をしていると怠け者になってしまうので、できないんです(笑)」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / トロロッソ / F1アブダビGP