F1 ホンダF1
1950年のF1開始から1000レース目を数えるF1中国GPで、ホンダF1の4台のうち3台が入賞、ファステストラップを記録したドライバーが得られるファステストラップポイントも獲得した。

レッドブル・ホンダの2台は3列目からクリーンなスタートを切った。しかしその1周目のターン6で、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが他車に接触されたはずみで前方のマシンに接触し、マシンにダメージを負った。

その接触でダニール・クビアトはドライブスルーペナルティーを科され、ポジションを下げると、その後ダメージの影響によりリタイアとなった。

レッドブル・ホンダの2台が5番手と6番手に付ける中、トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンはピットレーンスタートから順調にポジションを上げていった。5位を走るマックス・フェルスタッペンは前を行く2台のフェラーリとの差を詰めると、17周目にピットイン。22周目までピットインを遅らせたシャルル・ルクレールを抜き、4番手に浮上した。3番手のベッテル選手を抜くチャンスを狙ったが叶わず、4位でフィニッシュし12ポイントを獲得した。

ピエール・ガスリーはいい走りを見せ、レース完走を目指した。そして、残り3周で3回目のピットストップを行いファステストラップを記録。エクストラポイントを含めて全11ポイントを獲得した。

アレクサンダー・アルボンはピットレーンスタートから大きくポジションを上げ、ロマン・グロージャンの追走をかわすと、10位フィニッシュでポイントを獲得した。ダニール・クビアトは1周目の接触でマシンダメージを負い、その後ポジションを回復する機会を得られず、26周目にリタイアとなった

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「先日のバーレーンGPに続き3台が入賞できました。フェルスタッペン選手のいい走りとAston Martin Red Bull Racingのレース戦略が上手く噛み合い、ポディウムには届きませんでしたがフェラーリの2台の間に割って入り、4位でフィニッシュすることができました。バーレーンに続いての入賞となったガスリー選手は、レース終盤にはファステストラップも獲得しましたし、明るい話題を提供してくれました。ここのところ、結果が出ていませんでしたが今後のレースに向け弾みが付くことを期待しています。Red Bull Toro Rosso Hondaについては昨日激しいクラッシュを喫したアルボン選手が、10位で入賞を果たしました。ピットレーンスタートとなり最下位から追い上げる難しいレースでしたが、マシンのパフォーマンスを活かし見事なオーバーテイクを見せてくれました。最後は激しいライバルの追い上げを凌ぎ、こちらもいい走りだったと感じています。また、限られた時間の中で懸命にマシンを修復し、レースに間に合わせたチームの努力にも感謝しています。クビアト選手については、マシンのダメージによりリタイアすることになり、残念に思っています。PUとしても、色々なことが起こった週末でした。このあと金曜に発生したクビアト選手のPUに関する問題や、クラッシュのダメージなどの分析を早急に行い、次のレースの準備を進めます。開幕戦と第2戦に続き、トップチームと我々とのパフォーマンスの差が明らかに結果に現れたレースでもありましたし、その差を詰めるべく、チーム一丸となって開発を進めます」

クリスチャン・ホーナー (レッドブル チーム代表)
「いいチームワークのおかげで、4位と6位を獲得できました。2回目のピットストップを早めに行うという賢明なストラテジーのおかげで、マックスがルクレールを抜くことができました。表彰台獲得のため、さらに前のベッテルのオーバーテイクを目指しましたが、そこまでのペースはありませんでした。ピエールはマシンへの習熟を進めて今日もいい走りを見せ、ファステストラップを記録して6位でフィニッシュしました。フェラーリに続いてフィニッシュし、ファステストラップでアディショナルポイントも獲得できたので、自信を付けたと思います」

フランツ・トスト (トロロッソ チーム代表)
「レースウイークの始めから競争力のあるパッケージを準備できました。中団でいい勝負ができていたので、予選ではいい結果を期待していました。残念ながらFP3の終盤でアレックスがクラッシュし、マシンに大きなダメージを負ってしまいました。モノコックを交換するなど多くの作業が発生し、予選を走らずピットレーンから決勝を走ることになりました。決勝では多くのマシンをオーバーテイクし、ポイント圏内の10位でフィニッシュできました。いいパッケージであったことを証明してくれたと思います。ダニールは不運なことに、1周目で後ろから接触されバランスを崩しました。そしてワイドに開いていたノリス選手がトラックに戻ると、ダニールのマシンの左前に接触しました。ダニールにはなす術がなかったと思っていますが、ドライブスルーペナルティーを科されてしまいました。その後のピットストップの際にフロントノーズのダメージを確認しました。さらに次のピットストップの際にフロントウイングを交換しましたが、ポジションを下げる結果となり、PUのマイレージを節約するためにもリタイアを決めました。ダニールはいいラップタイムで走れていてポイント獲得の可能性があっただけに残念です」

マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)
「簡単なレースではありませんでしたが、チームとしていい結果を得ることができました。フェラーリを抜くための戦略が奏功し、シャルルより前の4位でフィニッシュできました。タイヤを交換してピットから出てきた後のセバスチャンとのバトルも楽しむことができました。彼を抜くチャンスでしたが、そこまでのペースはなく、そのままフィニッシュとなりました。レースではできる限りプッシュしましたし、チームの結果に満足しています。メルセデスやフェラーリと勝負するにはもっとペースが必要ですが、いい位置で走れていますし、毎戦ポイントを獲得できているのはいいことです」

ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)
「F1で自身初のファステストラップを記録できて嬉しいです。レース終盤で後方のマシンと大きな差があったので、ピットストップを行いファステストラップを狙うことにしましたが、うまくいきました。レース中はリズムを保ち、タイヤの消耗に気を付けるとともに、マシンフィーリングの向上に努めました。レースごとに1歩ずつ向上ができて安心していますが、一度に3歩ずつ向上できるよう、さらに頑張ります。次戦に向けてやるべきことはまだ多いですが、やるべきことは分かっています。ポイント圏内でフィニッシュし、ファステストラップというエクストラポイントまで獲得できて嬉しいです。今夜ファクトリーに向かい明日、明後日はシミュレーターで次戦に向けた準備を進めます」

アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)
「まずは決勝に向けてチームスタッフが頑張ってくれたことにお礼を言いたいです。FP3の後は落ち込んでいましたが、昨夜シャシーの交換などをみんなが頑張ってくれ、今日はいいレースができました。ポイントを獲得し、彼らの努力に報いることができてよかったです。レースウイークをとおしていいペースで走れていたのでQ3に進出する自信がありましたが、クラッシュからの修復のために予選を走ることはできませんでした。今日は2回のピットストップで走る戦略でしたが、タイヤの消耗が思ったよりも大きく、判断の難しいレースになりました。FP2ではライバルチームよりもタイヤマネジメントが上手くできていたので、当初の戦略どおりハードタイヤでできるだけ走ることにしました。レース終盤でグロージャンが追い上げてきた時にはヒヤッとしましたが、抜かれることなくフィニッシュできてよかったです」

ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)
「1周目以降、いいレースができずにそのまま終わってしまって残念です。マシンにダメージは負いましたがペースはよく、ポイント圏内でフィニッシュできる可能性があっただけに、残念な結果になってしまいました。1周目のマクラーレン2台との接触で、僕がペナルティーを受けるのは納得しがたいです。両側を他のマシンに挟まれていましたし、接近して走る1周目であのような接触が起きてしまうのは避けようがありません」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1中国GP