ハイドフェルド 新電動シリーズ創設 フォーミュラE下位カテゴリー構想

自身のキャリア後、家庭を優先してきたハイドフェルドだが、子どもたちの成長を背景に「人生の新たなフェーズ」に踏み出した。フォーミュラEには育成カテゴリーが存在しないという構造的な空白を埋めることが、このプロジェクトの出発点となっている。
フォーミュラEの“空白地帯”を埋める構想
ハイドフェルドは、フォーミュラ1にはF2、F3、F4といった明確な育成ピラミッドが存在する一方で、フォーミュラEにはそれに相当する仕組みが存在しない点を指摘する。
「F1の下にはF2、F3、F4というよく知られたピラミッドがある」
「フォーミュラEの下は?まだ何もない」
この課題に対し、元フォーミュラEチーム代表のディルバグ・ギルとともに立ち上げたのがFGシリーズだ。電動モータースポーツの次世代ドライバーを育てる“入り口”として機能させることを狙う。
コスト削減を軸にした新モデル
FGシリーズの最大の特徴は、従来のカテゴリーとは異なるコスト構造にある。シリーズ側がマシンを保有し、チームにリースするフランチャイズ方式を採用する。
「モータースポーツをより手頃なものにしたい。そして次のステップに進むための包括的なトレーニングを提供したい」
さらに、1台のマシンを同一週末に異なるシリーズで2人のドライバーが使用する仕組みも導入予定だ。
「1台のマシンを2人のドライバーが異なるシリーズで同じ週末に使用できる。これによりコストを最小限に抑えられる」
この発想は、参戦費用の高騰が問題視される現在のモータースポーツに対する明確なアンチテーゼとなる。

持続可能性と地域分散型カレンダー
プロジェクトは環境負荷の低減にも重点を置く。輸送は航空便に頼らず、船舶や陸路を活用し、シリーズも地域ごとに分散して開催する構想だ。
「高価な空輸を使わず、船と陸路で運ぶ」
グローバル転戦を前提とした既存カテゴリーとは異なり、移動コストと環境負荷の双方を抑える設計となっている。
最大の課題は資金調達
一方で、プロジェクト実現に向けた最大の障壁は資金だ。現時点ではハイドフェルドとギルが大部分を出資しているが、さらなる投資が不可欠だという。
「ここまでの資金の大半は共同創設者と私が出している」
「だがプロジェクトを本格的に立ち上げるには、さらに投資家が必要だ。数百万単位の話になる」
「ある程度の貯蓄はあるが、すべてを自分たちだけで賄うには規模が大きすぎる」
フォーミュラEの下に新たな育成ピラミッドを築く試みは、モータースポーツの構造そのものに一石を投じる可能性を秘めている。コスト、環境、育成という複数の課題に同時に切り込むこの構想が、実際にグリッドへと結実するかが注目される。
カテゴリー: F1 / ニック・ハイドフェルド / フォーミュラE
