フェラーリF1代表バスール メキシコGP総括「週末全体としては良かった」

ルクレールは日曜の決勝(71周)を通じてほとんどの時間を単独走行で過ごしたが、終盤には追い上げてきたマックス・フェルスタッペンに迫られる展開となった。2戦連続の表彰台獲得となったルクレールは、予選でハミルトンとともに2番手・3番手を確保し、スタート直後には優勝したランド・ノリスに挑んでみせた。
「週末全体としては良いものだった。昨日のペースも強力で、ポジションを争う上でそれほど遠くなかった。2位と3位は良い結果だ」とバスールは語った。
「ただ、ランド(ノリス)は金曜のロングランの時点でまるで別次元にいたし、今日も同じだった。もし1コーナーでトップに立てなければ、レース展開は大きく変わってしまう。オーバーテイクが難しいからね」
一方、ハミルトンはフェルスタッペンとのバトルでターン4をショートカットし持続的なアドバンテージを得たと判断され、10秒ペナルティを受けて8位でフィニッシュ。「この10秒の罰則は我々に確実に響いた」とバスールは述べ、「似たような事例で10秒を取られたケースは記憶にない」と付け加えた。
メキシコ特有の高地・低空気密度・バンピーな路面などの環境は、冷却性能と空力効率の両立を迫る厄介な条件となった。昨年この地で勝利を挙げたフェラーリだが、バスールは今回もそのバランス取りが難しかったと認める。
「予測がとても難しい。パフォーマンスの大部分は冷却から来る。ブレーキ、エンジン、あらゆる要素に対応させなければならないが、レース中にトラフィックに巻き込まれるかどうかで状況が変わる。しばしばパフォーマンスを犠牲にすることもある」と説明。
「シーズンでここだけが極端な冷却レベルになる場所で、他チームがどう対応するかも天候次第で変わる。ただ、昨年も一昨年もここでは良かったし、今週末も最初の周から常に上位にいた」と締めくくった。

フェラーリ、冷却制約下でも高い一貫性を維持
メキシコGPは、標高2200m超の極端な薄い空気が冷却と空力の両面でチームを悩ませる。フェラーリはこの課題を昨年同様に上手く処理し、特にルクレールが序盤から安定したペースを維持。マクラーレン勢の圧倒的スティントペースには及ばなかったが、他の上位勢と比べても「熱マネジメントの完成度」は光った。
ハミルトンのペナルティによる順位低下は痛手だが、ルクレールの2位はマシンの一貫性と信頼性を裏付けるもの。空力効率と冷却性能を両立した新しいパッケージの成熟度が見えてきた。今後のブラジルGP以降、より低地でのコンディションではこのマシンの真価がさらに明確になるだろう。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / F1メキシコGP
