アストンマーティンF1 2026年へ本格移行 ニューウェイ×ホンダ連携が加速
アストンマーティンF1チームは、2026年からホンダ製パワーユニットを搭載するワークスチームとして新時代を迎える。その準備が本格化する中、チームはホンダだけでなく、F1デザイン界の巨匠エイドリアン・ニューウェイという大きな戦力も手に入れた。

ニューウェイはレッドブル時代、ホンダとの協力で圧倒的な成功を収めた張本人だ。彼の設計したマシンは、マックス・フェルスタッペンによる4年連続ドライバーズタイトル(2021〜2024年)と、レッドブルのコンストラクターズタイトル連覇(2022〜2023年)を支えた。

現在、エイドリアン・ニューウェイはアストンマーティンのマネージング・テクニカル・パートナーとして、来季および2026年のプロジェクトに集中している。

アストンマーティンCEO兼チーム代表のアンディ・コーウェルは、シンガポールGP前にホンダとの協業についてこう語った。

「ホンダは素晴らしい。彼らはアストンマーティンと同じくエンジニアリング主導の組織で、革新性、情熱、そして勇気を持っている。レース後にはさくらの施設を訪問して数日間一緒に過ごす予定なんだ」

「カスタマーチームからワークスチームへの移行は非常にエキサイティングな段階だ。これまではパワーユニットの後部構造に関して発言権がほとんどなかったが、今後は前部構造の設計や冷却、トランスミッションとの統合など、全体の議論に加わることができる」

「3月から加わったエイドリアンの存在が大きい。彼はホンダと仕事をした経験があり、どこまで攻められるか、何をすべきでないかをよく理解している。まさに心強い存在だ」

F1 2026年の新時代へ──軽量化と電動化の進化
2026年のF1は、パワーユニット規定とシャシー規定が大幅に刷新される。ホンダのほか、メルセデス、フェラーリ、レッドブル、アウディが新PUメーカーとして名を連ねる。新PUは電動出力が従来の2倍以上に増え、完全持続可能なバイオ燃料を使用する内燃エンジンと組み合わせられる。

マシン側では30kgの軽量化が予定され、DRSに代わる前後ウイングのアクティブエアロを導入。ピレリタイヤも前輪25mm、後輪30mmのナロー化が進む。各チームは2026年1月26日の初テストに向けて、クリスマス期間の作業停止を挟みながら開発を急ピッチで進めている。

「これは全チームにとって大きな挑戦だ」とコーウェルは認める。

「新しいパワーユニット、持続可能燃料、空力、素材、シャシー、トランスミッション──まさにクルマ全体の再設計になる。だが、我々はテスト日も開幕日も動かせない。だからこそ、できる限り革新を重ね、性能を追求している」

「ただし、完走しなければポイントは得られない。そのバランスを常に意識している。ここ数年よりも興味深いテストとレースになるはずだ。非常に楽しみにしているよ」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ F1

ニューウェイ×ホンダ連携がもたらす相乗効果
ニューウェイとホンダの再タッグは、アストンマーティンにとって技術的にも心理的にも大きなアドバンテージとなる。ホンダは過去にレッドブルと共に勝利の方程式を確立しており、その経験値を持つニューウェイの加入は、パワーユニットとシャシーの融合設計において即効性を発揮している。

コーウェルが「自然な理解がある」と語ったように、さくらの開発陣とニューウェイの意思疎通はスムーズで、2026年に向けたシームレスな統合が進んでいる。
2026年のF1は、技術革新の象徴的な転換点となる。アストンマーティンはその中心に立ち、ワークスチームとして真のタイトル争いに名乗りを上げようとしている。

Source: PlanetF1

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1