F1アメリカGPスプリント:フェルスタッペン優勝&角田裕毅7位レッドブルW入賞

フェルスタッペンはポールポジションからクリーンにスタートを切ったが、マクラーレンのオスカー・ピアストリがキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグにターン1で接触され、その勢いでチームメイトのランド・ノリスに衝突した。
このアクシデントで“パパイヤ軍団”の2台はいずれもリタイアを余儀なくされ、ヒュルケンベルグもダメージを負って順位を落とした。一方、フェルスタッペンはメルセデスのジョージ・ラッセルからの挑戦と2度のセーフティカーを切り抜け、スプリントを制した。
後半のセーフティカー導入によりスプリントはそのまま終了。ラッセルはフェルスタッペンの背後で2位に終わり、ウィリアムズのカルロス・サインツが3位、フェラーリ勢のルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールがそれぞれ4位と5位に続いた。
ウィリアムズのもう一台、アレクサンダー・アルボンが6位、レッドブルの角田裕毅が7位に入った。一方、ハースのオリバー・ベアマンは8位でフィニッシュしたものの、10秒ペナルティによって最後尾へ降格。メルセデスのキミ・アントネッリが最後のポイント圏である8位に繰り上がった。

初日の早い時間に行われた1時間のプラクティスを経て、金曜のスプリント予選で100kmレースのスターティンググリッドが決まり、トップ8が8点から1点までのポイントを獲得するフォーマットで行われた。
ノリスがSQ1とSQ2で首位を維持していたが、最終のSQ3ではレッドブルのフェルスタッペンが終盤に逆転しポールポジションを獲得。オランダ人ドライバーにとって10回目のスプリントポールとなった。
これによりノリスとチームメイトのピアストリがそれぞれ2番手と3番手、ヒュルケンベルグがキック・ザウバーで4番手という目を引く結果を得た。
ドライバーズ選手権が依然として接戦の中、土曜19周のレースを前にグリッド上の緊張は高まりつつあった。気温が上がるコンディションの中、フォーメーションラップ前にタイヤブランケットが外されると、20台全車がミディアムタイヤでスタートすることが明らかになった。
シグナルが消えると、フェルスタッペンはスムーズに加速して先頭に立った。しかしその直後、ターン1で集団が密集し、ピアストリがヒュルケンベルグに接触されてスピン。はずみでノリスに突っ込み、ノリスは即リタイアとなった。
ピアストリは一時走行を続けたが、サスペンションにダメージを負った可能性があると警告され、最終的にピットへ戻ることができず、両マクラーレンがわずか1周でスプリントから姿を消す結果となった。
フェルナンド・アロンソもこの混乱に巻き込まれ、ヒュルケンベルグとの接触の末にリタイア。コース上のデブリ回収のためセーフティカーが導入された。
「巨大なサンドイッチだった」と語ったヒュルケンベルグはピットストップを経て15番手まで後退。ランス・ストロールとアルピーヌのフランコ・コラピントも多事なオープニングラップの後にピットインした。
5周目、セーフティカー解除が告げられ、フェルスタッペンが首位を維持。2番手ラッセル、3番手サインツ、4位ルクレール、5位ハミルトン、6位アルボン、7位角田(ヒュルケンベルグの落としたフロントウイングを踏んでも耐えた)、8位ベアマンというオーダーで再開した。
フェルスタッペンは再スタートも完璧にこなし、シンガポールGP勝者ラッセルを抑えてトップを維持。その後方では、メルセデスのアントネッリが9位のピエール・ガスリーを攻め立てていた。
8周目にはラッセルがターン12でオーバーテイクを狙い、フェルスタッペンに仕掛けたが、両者はコースオフ。フェルスタッペンが前で復帰し、「今のは何だ?」と無線で叫んだ。スチュワードはこの件を審議対象としたが、最終的に不問とされた。
他方、フェラーリ勢のルクレールとハミルトンが4位争いを繰り広げ、最終的にハミルトンが前に出た。前方ではラッセルがフェルスタッペンとの差を1.7秒に広げられ、再び離されていった。
11周目、フェルスタッペンが依然首位、ラッセル、サインツ、ハミルトン、ルクレール、アルボン、角田、ベアマンが続いた。8位争いも激化し、ベアマンが角田との差を1秒以内に詰め、背後からアントネッリも迫っていた。
「ターン12で2回警告を受けた」とラッセルに無線で注意が入り、ベアマンとアントネッリもトラックリミット違反で一時注目対象となった。
16周目、ストロールがオコンに対してターン1で突っ込み、ロックアップしてハースのマシンにヒット。オコンはリタイアとなり、ストロールも車をターン3付近に停めてレースを終えた。カナダ人ドライバーは手を上げて謝意を示す場面もあった。
この事故で2度目のセーフティカーが出動し、スチュワードはスプリント後に調査を行うと発表。ベアマンにはアントネッリとの接触に関する10秒ペナルティが科され、ポイント圏外に転落することとなった。
マシン撤去作業のためスプリントはセーフティカー先導のまま終了。フェルスタッペンが自身13度目のスプリント勝利を飾った。2位ラッセル、3位サインツ、4位ハミルトン、5位ルクレール、6位アルボン、7位角田。
ベアマン(8位走行)はペナルティにより最下位へ後退し、アントネッリが8位に繰り上がった。レーシングブルズのリアム・ローソンとアルピーヌのガスリーはそれぞれ9位と10位でポイント圏を逃した。
キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトが11位、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが12位、ヒュルケンベルグが13位、コラピントが14位、そしてベアマンが15位。
全体の4分の1がリタイアする荒れたスプリントとなり、ノリス、ピアストリ、アロンソが1周目で姿を消し、さらにオコンとストロールも完走できなかった。

「スタートは良かった」とスプリント勝者フェルスタッペンは語った。「ターン1のアクシデントでセーフティカーが出たあと、数周はペースを上げるのが難しかった。何が起きていたのかを確認する必要があるね。
それでも、スプリントで勝てたのは一番重要なことだ。明日に向けては、レーストリムで少し改善する必要があると思う。マクラーレン勢とはまだ本格的に戦っていないからね」
スプリント後、ドライバーたちはこのあとグランプリ本戦の予選に臨む。現地時間16時(日本時間6時)に開始予定だ。
2025年F1 アメリカGP スプリント 結果
1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
3.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
4.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
5.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
6.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
7.角田裕毅(レッドブル)
8.オリバー・ベアマン(ハース)
9.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
10.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
11.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
12.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
13.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
14.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
15.フランコ・コラピント(アルピーヌ)
DNF.ランス・ストロール(アストンマーティン)
DNF.エステバン・オコン(ハース)
DNF.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
DNF.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
DNF.ランド・ノリス(マクラーレン)
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