アルファタウリF1 「レッドブルのリアサス採用を見送ったのは誤りだった」
スクーデリア・アルファタウリのCEOであるピーター・バイエルは、2023年に向けてレッドブル・レーシングのサスペンションを採用せずに独自のサスペンションを開発したことは「誤り」だったと認めた。

アルファタウリは競争力のないパッケージでシーズンをスタートさせたが、フロアの段階的なアップデートを次々と投入し、AT04をミッドフィールドバトルに復帰させた。

シンガポールGPからレッドブルRB19のリヤサスペンションを採用し、リヤの安定性を高めるとともに、フロアの進化を引き出すことに成功した。

これにより、角田裕毅とダニエル・リカルドは、シーズンの大部分を最下位で低迷していた後、チャンピオンシップで終盤に猛攻を仕掛け、ウィリアムズにわずか及ばなかったがコンストラクターズ選手権8位でフィニッシュした。

アルファタウリの強調されたフロア開発がライバルの注目を集めた一方で、サスペンションの選択もその進歩に一役買っており、バイエルCEOはレッドブルのリアサスペンションを早めに採用しなかったことは「誤り」だったと語る。

「あのような重要なパーツについて独自の道を歩むという最初の決断は単純に誤りだった。当時の決断を下した人々はもう我々のところにはいない」とバイエルはAutosportに語った。

「エンジニアたちはなぜ特定のことをしなければならないのかについて常にたくさんの議論をしていると思うが、この新しいレギュレーション変更と、フロアに依存した新しいダウンフォースパターンでは、サスペンションが次に重要だということはパドックの誰もが理解していたと思う」

「フロアがあってサスペンションがある。この2つがうまく機能しなければ、出走しない方がいいだろう」

過去2シーズンで圧倒的な強さを誇ったレッドブルよりも賢くなろうとすることに意味はあるのかと問われるとバイエルはニヤリと笑った。「我々にとっては、それが今年の大きな収穫かな」

「だが同時に、カスタマーである我々にとって難しいのは、ピースを手に入れても、そのプースを機能させる必要があり、それは非常に難しいことだ」

「元レッドブルの空力学者やエンジニアを雇った他のチームを見てみるといい。彼らは短期間で成果を上げたが、コンスタントな開発は見た目ほど簡単ではない」

「シンガポールでは、何かが少しうまくいったように見えたが、確信はなかった。ジョディ(・エギントン/テクニカルディレクター)のチームは、グローバルコンセプトを理解するために多くの努力を払ってきた」

「このレッドブルのマシンがこれほど安定していて、低速コーナー、高速コーナー、ストレートスピードでこの能力を発揮できるのはなぜなのか?そこでジョディたちは、ある種のブレークスルーを果たした」

スクーデリア・アルファタウリ

アルファタウリがこれまでと同じようにレッドブルのサスペンションを採用するという決定は、AT04の技術レベルでは理にかなったことだった。しかし、レッドブルの新チーフであるオリバー・ミンツラフが要求した、F1のレギュレーションが許す限りレッドブルに近づくという意味合いもある。

ジョディ・エギントンは、2024年に向けてまだブランド名を変更していないチームがレッドブルの2023年型フロントサスペンションを採用することを認め、姉妹チームとのシナジーレベルが近年変化している理由を説明した。

「2019年以降、シナジーに関しては毎年違うことをしてきた」とエギントンは語った。「もう少し頑張って何か違うことをした年もあれば、もう少し少ない年もあった」

「来年はリアエンドを引き継ぎ、フロントはレッドブルのフロントサスペンションを現行マシンに搭載する。だから、1年落ちになる」

「さまざまな理由から、我々は少し違うことをしてきた年があった。しかし、我々にはこれを行う機会があり、レギュレーションで許可されているので、他の多くのチームと同じように行うつもりだ」

レッドブルのサスペンションを自社のマシンで機能させるのは難しいことではないかとの質問に対し、エギントンは「そうだね、でも良い点もたくさんある」と付け加えた。

「来年に向けて新しいシャシーを設計して製造する予定なので、いくつかの部品を採用する機会がある」

「レギュレーションが変われば、少し違った見方をしなければならないが、我々はそれを年ごとに受け止めている」

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・アルファタウリ