角田裕毅 レッドブルF1苦境にアルボンが支援「できる限り助けたい」

角田裕毅は今季末で契約が切れる。レッドブルにおけるセカンドドライバー問題を解決できていないことから、厳しい状況に置かれている。アゼルバイジャンでシーズン最高の6位を記録したにもかかわらず、依然としてランキング16位で、チームメイトより13位下に位置している。
現状では、現在のシートを維持するのは手遅れかもしれない。レーシングブルズでルーキーシーズンを戦い抜いているアイザック・ハジャーが、レッドブルに昇格するというのが大方の見方だ。
しかし角田裕毅は、リヤム・ローソンと姉妹チームのシートを争うことになる可能性がある。皮肉なことに、彼は今季序盤の2戦後にローソンに代わってレッドブルへ昇格したのだった。
アレックス・アルボンは、なぜ自分と角田裕毅がレッドブルで苦しんだのかを理解している。
アルボンは、自身がミルトンキーンズで味わった苦労を踏まえて角田裕毅に共感を寄せている。角田裕毅がF1で5年目を迎えているのに対し、アルボンはルーキーシーズン途中でレッドブルに昇格した。
ピエール・ガスリーの後任として加入したアルボンも、フェルスタッペンのチームメイトとして説得力を示せず、18か月後にはF1シートを失った。
現在はウィリアムズで活躍するアルボンだが、以前コーチ役を務めたこともある角田裕毅と「多くの会話」を重ねてきたという。その中で、なぜフェルスタッペンのチームメイトたちが苦しんできたのかを理解するに至った。
史上最高のドライバーとも言われる存在と同じガレージにいるだけでなく、乗りこなすのが難しいマシンを与えられ、その性能を引き出す術を理解できないという状況に置かれるのだ。
「共感する」とアルボンはBBCのポッドキャスト『Chequered Flag Extra』に語った。「僕がレッドブルにいたときのことを振り返ると、F1キャリア半年で加入していた。振り返って気づいたのは、僕は快適ではないクルマに乗っていて、その状況から抜け出す経験もなかったということだ」
「僕はそこで苦しんだ。経験値や人間としての成熟度が十分でなく、自分をその状況から抜け出させる方法が分からなかった」
「今では理解している。そして僕は裕毅とよく話をして、できる限りの助けをしている。僕らは素晴らしい関係にあり、僕は裕毅のことを本当に大好きだ」
「難しい状況だと思う。もう片方のガレージには、おそらくF1史上最高のドライバーがいるんだから。大きな発言だとは思うけど、僕は本当にそう思っている。彼は快適でないクルマでも速く走らせられるし、多くの問題を隠してしまえるんだ」

レッドブルにおける角田裕毅の将来をめぐる最新動向 ─ メキースとマルコの意見対立
これまでのところ、アルビッド・リンドブラッドがF2から昇格して来季レーシングブルズに加入するという見方が強かった。だが、その確信は揺らぎつつある。
レッドブル内ではリンドブラッドを急いで昇格させることに慎重な声もあり、もう1年F2に留まる可能性もある。理論的には、ローソンと角田裕毅がレーシングブルズで再びコンビを組む道も残されている。
ではレッドブル残留は完全に不可能なのか。ローラン・メキースは、角田裕毅が先週末のパフォーマンスを維持できるなら、残留の可能性を排除していない。
だがヘルムート・マルコはすでに、ハジャーを昇格させる考えで固まっている。最終的な判断は、クリスチャン・ホーナー不在後のレッドブル内部における権力構造を示す試金石となりそうだ。
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