FIAがホンダを含む全メーカーを招集 F1圧縮比ルールの「抜け穴」問題を協議

2025年末、2026年規則の文言に存在する抜け穴を活用し、メルセデスとレッドブルがエンジン性能向上につながる手法を採っていることが明らかになったことで、自動車メーカー間の対立が表面化した。
レギュレーションに記載された圧縮比16:1の制限について、一部のメーカーは「これが走行時に許される最大値」と解釈していたが、すべてのメーカーが同じ見解を共有していたわけではなかった。
メルセデス、そして程度は小さいもののレッドブルが、エンジンを常温で測定した際には16:1の制限を満たしつつ、エンジンが高温になった際にはそれを上回る設計に取り組んでいた可能性が指摘されている。
熱膨張を含む可能性のある巧妙なコンセプトを用いることで、コース上でエンジンが作動している状態では圧縮比を高めることに成功しており、これによって性能面と燃費面の双方でメリットが得られるとされている。
ある上級関係者は、理論上フルに活用された場合の利得は最大で10kW、すなわち約13馬力に相当する可能性があると見積もっている。
また、これはパワー依存度の高いサーキットかどうかによって、1周あたり約0.3〜0.4秒に相当すると推定されている。
『The Race』はクリスマス前に、フェラーリ、アウディ、ホンダがこの状況について説明を求める共同書簡をFIAに送付していたことを報じた。3社の見解では、圧縮比16:1を超えて作動するエンジンは違法となる可能性があるという。
その根拠となっているのが、F1技術規則の第C1.5条で、F1マシンは「競技のあらゆる時点において」規則を遵守しなければならないと定めている。
しかしFIAはメルセデスのアプローチに満足しているように見え、規則の更新にあたっても、16:1という測定値は常温で計測されるものであると明確化したため、立場が劇的に変わる可能性は低い状況だった。
これにより、もしメルセデスのライバル勢が不満を抱いた場合、開幕戦オーストラリアGPで抗議が提出される可能性も浮上していた。
フェラーリ、アウディ、ホンダからの書簡を受け、FIAは1月22日にすべてのマニュファクチャラーを招集し、今後の対応について協議する会合を開くことを決めたことが明らかになった。
これはバルセロナで最初のF1テストが始まるわずか4日前であり、2026年シーズン序盤用のエンジンはすでにすべて製造済みの段階にある。
この会合には、各陣営の上級管理職に加え、技術専門家も参加すると理解されている。
FIAの広報担当者は『The Race』に対し、次のように述べている。
「新しいレギュレーション導入時には常にそうであるように、2026年仕様のパワーユニットおよびシャシーに関する協議は継続して行われている」
「1月22日に予定されている会合は、技術専門家同士のものだ」
「FIAは常に、すべての参加者の間で規則が同じように理解され、適用されていることを確保するため、状況を評価している」
シーズン開幕前にFIAの現行解釈が変更される可能性は極めて低いと考えられているが、メルセデスのライバル勢は、将来的にすべてのメーカーが同一の解釈のもとで運用されるよう、後の段階での修正を求めていると理解されている。
これには、測定手順の調整や、圧縮比の許容範囲について明確な指針を示すことが含まれる可能性がある。また、圧縮比の制限そのものを撤廃するという案も浮上している。
変更が行われるとしても、最も可能性が高いのは2027年からと見られているが、情報筋によれば、一部のメーカーは夏休み後の対応を求めているという。
ただしF1のホモロゲーション規則上、シーズン中にパワーユニットを変更できる余地は、性能が著しく劣っており、追加開発を認める規定が発動される場合に限られている。
カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)
