角田裕毅 レッドブルF1離脱濃厚で2026年はキャデラック移籍が唯一の希望か

角田裕毅は2025年シーズン開幕から8戦を終え、チームに7ポイントをもたらしたが、契約延長に値する成績とは見なされていない。現在の契約は今季末までとなっており、「劇的な巻き返しがなければ2026年にシートを失うことは確実」との報道も出ている。
代役として最有力視されているのが、レーシングブルズで頭角を現しているアイザック・ハジャーだ。ハジャーはマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして起用される見込みだという。
現行のF1グリッドは2024年の大幅なドライバー移籍で多くが契約済みのため、角田裕毅の他チーム移籍の可能性は極めて限られている。メルセデス入りは非現実的で、レーシングブルズへの復帰も見込めない。そこではリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのコンビが来季起用されると見られているからだ。
昨年はアルピーヌが角田裕毅に関心を示しているとの噂もあったが、2025年になって以降、その話題はすっかり鳴りを潜めている。
さらに角田裕毅は、ホンダとタッグを組むアストンマーティンへの移籍も取り沙汰されていたが、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいずれも契約下にある。仮にチームが体制変更を検討するにしても、動かす理由となるのはフェルスタッペンやジョージ・ラッセルのようなトップドライバーだけだろう。

このような状況の中で、角田裕毅がF1に残る現実的な選択肢として浮上しているのが、2026年から本格参戦を予定しているキャデラックF1チームだ。
キャデラックは現在、2つのシートを確保しておらず、その1枠はバルテリ・ボッタスが最有力とされている。だが、もう1枠については依然として未定で、セルジオ・ペレスを含む複数のドライバーが候補に挙げられている。
アストンマーティンのリザーブドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチの名も候補に挙がってはいるが、F1で97戦の経験を持ち、中団チームで一定の評価を得てきた角田裕毅が市場に出れば、キャデラックが関心を示す可能性は高い。
実際、今年4月初旬の報道では、キャデラックは角田裕毅の存在を以前から注視していたとされている。レッドブル加入前から、彼が獲得可能な存在になると見越していたという見方もあった。そもそも角田裕毅は、ローソンが降格される前はキャデラック入りが内定していたとも噂されていた。もしかすると、当初の計画に回帰する形で、キャデラックが角田裕毅を“救う”可能性もあるだろう。
なお、昨年角田裕毅の昇格に懐疑的だったレッドブル代表クリスチャン・ホーナーの懸念が、今となっては現実味を帯びている。レッドブルは当時、ローソンの準備不足により角田裕毅の昇格を“仕方なく”決断したとされている。
元F1王者ニコ・ロズベルグは、角田裕毅が現在レッドブルで置かれている立場について「ひどい状況だ」と同情を示している。これまで多くの優秀なドライバーがそうであったように、「フェルスタッペンには到底太刀打ちできない」という現実があるからだ。
角田裕毅はこれまでF1で平均して1戦あたり1ポイント強を獲得してきたが、まだ表彰台には一度も上がっていない。自己最高位は、2021年アブダビGPの4位となっている。
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