角田裕毅 F1エミリア・ロマーニャGP「自分を見つめ直すきっかけになった」

決勝を迎えるまでの24時間は過酷だった。金曜フリー走行では好調なペースを示したものの、予選Q1の1周目でヴィルヌーヴシケインに飛び込み大クラッシュ。車体は宙を舞い、RB21は事実上の全損に。緊急でスペアシャシーが組み上げられ、角田裕毅は3基目のパワーユニットを投入してレースに臨んだ。
そこからの再起には、精神的な強さも求められた。苦しい展開ながらも粘り強く走り抜き、フェルナンド・アロンソを0.8秒差で抑えて貴重な1ポイントを獲得した。
「正直なところ、どこまでいけたかは分かりませんが、FP2まではペースがかなり良くて、マックスとも近い位置にいました。FP3は少し混乱してしまって、それで予選Q1の1周目で大きなクラッシュをしてしまいました。あの動きは本当に予想外で、人生で初めてF1マシンが宙を舞うような感覚を経験しました」と角田裕毅は語った。
「今でもあの瞬間のひとつひとつを覚えています。ターンインから始まって、クルマがどう動いたか……まったく予期していなかった動きで、ああいうのは初めてでした。あのクラッシュを通して、自分がまだこのマシンのことを完全には理解しきれていないと感じました」
「だからこそ、一度立ち止まって、自分を見つめ直しながら少しずつ自信を取り戻すことが大事だと思っています。今日はレースの中でその自信を取り戻せたのが嬉しかったですし、少しずつですが前進できていると感じています。ただ、まだまだ改善の余地は大きいです」

予選でのクラッシュによりスペアシャシーでの出走となった角田裕毅は、ハードタイヤでロングランを展開。セーフティカー明けのリスタートでは11番手につけ、最終的にフェルナンド・アロンソを0.8秒差で抑えて10位フィニッシュを果たした。
「昨日のクラッシュについては、まだ少しフラストレーションが残っていますが、メカニックたちが夜通しでマシンを直してくれましたし、こうしてレースに出られたことに本当に感謝しています。1ポイントという結果は小さいかもしれませんが、それでもチームに少しでも恩返しできたのは良かったです」
「今回は予選に向けてセットアップを大きく変えたのですが、レースではあまり大きくは変えずに臨みました。そのおかげで、より多くのことを学べましたし、クルマについての理解も深められたと思います。マクラーレンをもう少し長く抑えたかったのですが、彼らのほうがタイヤが新しくてグリップが良かったですし、セーフティカーの影響もあって難しい展開になりました」
「今の自分にはまだまだ適応すべき点がたくさんありますが、この週末を通して確実に前進できたと感じています。次のモナコでは予選が非常に重要になるので、そこに向けてしっかり準備していきたいです」
「そしてもちろん、マックスの優勝とチーム全体の素晴らしい結果にも心からお祝いを伝えたいと思います。素晴らしい仕事だったと思います」
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